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薄いカーテンの隙間から陽が射す。

夜明けだ。

隣には極上の艶を纏った翼を畳んだ相葉くんがスヤスヤと子供のように穏やかな寝顔で横たわっている。

逞しい腕が俺の身体に巻きついていて、思わずクスクス笑いが漏れてしまう。

こうして逃げ出さないように身体に腕を絡めて眠りたかったのは俺なのに…相葉くんときたら本当…可愛いんだから仕方ない。

起きて隣にキミが居る。

不思議だけど、こんなにも満たされるなんて思いもしなかった。

幸せが形になって存在するなんてね…。

俺は裸のまま眠る彼にシーツをかけ直しベッドを出た。

とびきり美味しいコーヒーの淹れ方なんて知らない。

だけど…キミは俺が淹れたらなんだって特別だって言うんだろ?

キッチンに立つ俺は後ろから近づく人の気配にゆっくり振り返った。

『おはようございます』

「…おはよう」

お互いに身体を抱きしめ合いキスをする。

「ちょうどコーヒーが入ったよ。ホラ、どうぞ」

カップを手渡すと、相葉くんは中を覗いて香りをクンと吸い込んだ。

『良い香りですね…ニノのコーヒー…』

「そんなにおだてたって何もでやしないって。飲んだら行くんだろ。」

『…ハイ…』

「不安?」

相葉くんは首を左右に振った。

『ボスからの手紙は真実しか書いてありません。だからきっと、俺がシャンティへ行く意味は無いのかも知れないんだけど…』

「男のケジメ…だろ?」

俺がカップを軽く掲げて見せると、相葉くんは俺の大好きな仕草を見せる。

少し首を傾けてクシャッと目尻に皺が寄るように微笑む。

二人でバルコニーに出たら、あんなに積もっていた街の雪は溶け始めていた。

朝日が眩しくて、寒いはずなのにあったかい。寒い…はずなのに?

あぁ…なるほどね。

キミの翼は

俺を包む為に

大きいから

だから俺は

寒くないんだ。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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