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二宮さんはなかなか目覚めなかった。

あれから、丸2日経つ。

ヨコが食べる物を運んでくれて、櫻井さんが1日に何度も様子を伺う連絡をくれた。

滝沢さんからは仕事の心配はするなとメールを貰い、何かに不安になる事もなく看病に専念した。

外が暗く暮れた時間に松岡さんが点滴を交換しに来て、今日中にも目が覚める筈だと予言じみた言葉を残していった。

バルコニーに続くガラスに視線をやると、外は粉雪がチラついて随分と冷える夜だった。

「ぅ…ぅゔ…ん」

外を眺めていた俺はずっと待ち望んでいた声に慌てて振り返った。

ソファーに駆け付けて跪き、二宮さんの手を握る。

『二宮さんっ!…』

「…み…やび…」

白く弱った指が俺の頰を撫でる。

俺は歯を食いしばりギュッと目を閉じ、息を吐いてから呟いた。

『…相葉です、二宮さん。雅さんは…もう居ないんですよ』

透き通る琥珀色の目がジワジワと大きく見開かれ、潤み、俺の頰から指が滑り落ち、頭を抱え叫び出した。

「ぅ…ぅ…うわぁぁぁっつ!!」

『二宮さんっ!』

「ぁああっ!!ぅゔっ!」

ガシャーンッと繋いでいた点滴が突っ張り、倒れたポールハンガーがフローリングを派手に鳴らした。

暴れ出す二宮さんを押さえつけるようにソファーに組み敷く。

荒い息をついて怒った猫のようにフゥーフゥーと息巻いて俺を睨み付ける。

俺は両の手首をしっかり頭の上で抑え込み、二宮さんを見下ろした。

『あんた飼い主だろ?…ちゃんと餌くらいやれよ』

そう呟くと、強い力で反発しようとしていた手がダランと緩んだ。

ビー玉みたいな眼球がこっちを見ている。

それから…小さな掠れる声で、少し笑いながら呟いた。

「相葉…さん…お手」

投稿者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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