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絶望感で一杯だったろうね。

助けられなくてごめん。

愛してたんだよね?

俺じゃなくて、その人を。

もっと早く出会えてたら

もっと早く捕まえていたら

俺は後悔してる。

あんたに会うまでの時間。

あんたに触れるまでの時間。

今でさえ、後悔してる。

二宮さんの薄い唇に口づける。

微かに触れてゆっくり離れると、二宮さんは目を閉じて言った。

「相葉さん…全部知ってるんだ…」

『…櫻井さんから…』

「そぅ…相葉さんは、俺が可哀想?」

試されているような質問に、俺はまっすぐ答えた。

『俺のは…一目惚れですよ?誰を可哀想だって言うんですか?そんなの…三年前の俺でしょ?…あんたに振り向いて貰えない…可哀想なのはあんたじゃない。…俺だよ』

二宮さんはプッと吹き出した。

「アハハ!…ハァー参ったね。」

『そろそろ降参してくれないと、割りに合わないんですけど…』

「…ヤダなぁ…」

二宮さんは俺を見上げて呟いた。

『何がヤなんですか…往生際が悪いですよ』

二宮さんはまたクスクス笑う。

拳で口元を隠しながら笑うもんだから、その手を掴んで押さえつけた。

『二宮さん…』

「…風呂に入りたい」

俺は二宮さんの言葉に溜息をついて、掴んでいた腕を離した。

ソファーに組み敷いていた体を引いて起こし、眉間に嫌な皺を寄せながら呟いた。

『腕の傷が治ったわけじゃないんです。タオルで身体を拭きますから』

飼い主は二宮さんで

犬は俺。

降参したあんたの口から、”好きだ”と聞ける筈が、とんだ誤算だ。

ここに来て

“待て”を使う。

二宮さんは最高に最低な飼い主だと

俺はそう思ったり…思わなかったり。

投稿者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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