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細いけど、ゴツゴツとした男の腕を温めたタオルで拭きあげていく。

女しか抱いた事のない俺が、この身体ごと欲しいと願って三年が過ぎた。空っぽの心と知りながら戯れ…俺はそれでも幸せだった。

今も…間違いなく俺は  幸せだ。

『寒く…ないですか?』

「…うん…気持ちいい」

苦笑いする二宮さんが、弱々しく見えて、俯いた。

『俺は…このままでも…構わないんです…』

ソファーに座って向かい合いながら二宮さんの反対の腕を引き上げた。

「このまま…」

『お手も…待ても…上手に出来るようになって…餌にありつける…デコレーションされてないケーキでも、凄く美味いって意味で…』

「何?…俺ってケーキなの?」

二宮さんは首を傾けてクスクス笑う。

俺は白い腕を柔らかなタオルで撫でながら、小さく溜息を吐いた。

「あ、怒った?」

『怒ってません…我ながら…ケーキに例えるとか…恥ずかしい』

「ふふ…優しい相葉さんらしいよ?」

目を細めて笑う二宮さんに、視線を腕に戻しながら呟いた。

『優しくありませんよ…俺は…』

「……俺は?…じゃあ誰は俺に優しかったの?」

『そっ!それはっ!雅……あぁ!もうっ!とにかくっ!!俺は優しくなんてないっ!中身が無い空っぽのあんたでさえ手に入れたいと思ってるような貪欲で傲慢な男ですからねっ!』

グイと掴んでいた腕を引いて胸元に抱き込んだ。

二宮さんは顎を引いてびっくりした顔をしたかと思ったら、また笑い出す。

「んふふ…アハハッ!やっぱり相葉さんは面白いね。良い事を教えてあげるよ!」

『い、良い事?』

スッと人差し指が俺の鼻頭に触れ、近づいた琥珀色の瞳が俺を映した。

「俺の好みはね、デコレーションされてないケーキが好きな男だよ。……貪欲で…傲慢なね」

雅さん

そちらは  平和ですか?

あなたは  幸せですか?

俺は今

あなたに言いたい。

この人は俺が貰います。

俺は

貪欲で、傲慢な男だからです。

投稿者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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