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「なぁにぃ、皆んなで集まって」

ヨコと櫻井さんと俺を見渡し首を傾げる二宮さん。

『ぁ…あの…えっと…』

「なんだよ」

怪訝な顔をする二宮さんに余計慌ててしまう。

「ニノ…近々バーテンダーに転職だってさ」

「はぁ?何だよそれ」

櫻井さんは二宮さんの耳に衝立をしてコソコソと内緒話をした。

見る見る耳から顔まで真っ赤になった二宮さんは俺を睨みつけて

「ばっ馬鹿じゃん!いっ犬のくせに生意気なんだよっ!!」

プイと顔を背けてバックルームに行ってしまう二宮さん。

俺は頭を掻きながら櫻井さんに目をやる。

『何言ったんですか?めちゃくちゃ怒っちゃったじゃないっすか』

「二宮さんを誰にも触らせたくないから、この仕事を辞めさせて自分の側で働かせるって言ってたよって伝えただけ」

それを聞いて、ヨコも苦笑いしている。

「嘘じゃないだろ?…喜んでんだよ。ほら、アイツ天邪鬼だから。」

「犬って言ってましたけどね」

ヨコが引き攣りながら笑う。

俺はそれを聞きながらフフっと笑ってしまった。

バックルームの扉を見つめながら二宮さんを想う。

『良いんだ。俺はあの人の犬だから。…誰でもない…あの人の犬だからね』

櫻井さんがポンと肩を叩いてバックルームに消えていく。

ヨコも、まだ終わっていないトイレ掃除に向かった。

暫くして、バックルームから二宮さんが出て来る。

俺は磨いていたグラスを伏せて、カウンターに座った二宮さんが出す手に手を乗せた。

『お手じゃ足りないって…言ったでしょ?』

二宮さんは微笑む。

「じゃあ…そうだねぇ、相葉さん…キス」

不安になるってなんだ。

キミを想って?

想いすぎて?

気が狂ったように…

誰の身体を貪ったとしても

満たされない。

あんたは俺に、そんな不安の種を蒔いて、いつしかそれは芽吹き、苦しかった理由は…

初めから、俺はあんたの犬で、あんたは俺の飼い主…いや、違うな…

薬だったとでも言うんだろう?

ゆっくり重なった唇。

赤い舌と唾液の味。

二宮さんの体温。

それが全て。

これって多分

望んでやまない

   愛の オーバードーズ…。

END

投稿者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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