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禁忌…

うちに帰った俺は、ベッドの中で何度も何度も寝返りをうちながら、そんな言葉に支配されて行くような感覚を覚えていた。

膨らみかけた気持ちに錠をして、それでいて興奮する様な…

同性への興味。

青葉と冬空を天秤にはかけられない。

二人はあまりに違いすぎる。

携帯を手に考え事を潰すようにゲームを開き没頭した。

朝になれば青葉が迎えに来て、冗談を言い合いながら学校に着いて、博士に宿題をうつさせて貰ったりして騒がしい1日が始まる。

冬空だって、俺の事をその他大勢の生徒と同じ扱いで…休み時間に一緒にバスケをしたりする。

それが一番

普通であって、望ましい事。

俺にとっての日常だった筈なんだ。

携帯をパタンとシーツに落としてため息をついた。

「普通の日常…返せよ」

目を閉じたら、涙が滲んで頰を伝う。

春子さんが帰った音がしたんだけど、もう立ち上がる気力がなくて、そのまま眠ってしまった。

翌朝、青葉は宣言通り俺を迎えにやって来た。

春子さんはいつもみたいにニヤニヤせず、どこか肩の力が抜けたようにホッとした顔をしていた。

手提げの持ち手を肩に通してリュックのように鞄を担いでいた俺は、ポケットに手を入れたまま青葉に呟いた。

「来てくれてサンキューな。春子さん…嬉しそうだった。」

「…春子さんの為じゃないんだけど」

「わ、分かってるよっ!ただ、今回はちょっと拗れたみたいになった時間が長かったから…春子さん心配させちゃったし」

青葉は頭の後ろで腕を組みながら苦笑いした。

「…秋空は優しいな。」

ポンポンと頭を撫でられ、俺はグッと下唇を噛んだ。

「優しくなんかない。お前が一番良く知ってんだろ」

呟いたら、青葉はまた苦笑いした。

優しく出来てるなら、おまえはそんな風に笑わないだろ?

優しく出来てるなら…

俺はもうとっくに青葉の胸に飛び込んでる。

きっと…そうに違いないよ。

投稿者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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