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俺は冬空に連れられ、保健室に入った。

南先生は相変わらずの真っ赤なネイルで、白く細い指とミニスカートから出た剥き出しの足を武器に冬空に擦り寄る。

「あら、斉藤くん、白川先生、どうしました?」

そう言って冬空のスーツに触れる南先生。

冬空はソッとその手を掴んで下ろした。

「少し貧血が出たようなので、ベッドをお借り出来ますか?」

「あら、大丈夫?ちょうどさっき一人教室に戻ったので、奥のベッドが空いてます。」

南先生がベッドの周りに付いているカーテンを開けて俺を寝かせた。

冬空が俺の前髪を撫で上げる。

「ちゃんと寝てるんだぞ」

「…はい」

南先生がニッコリ笑った。

カーテンが閉められ二人が離れて行く。

南先生は懲りずに冬空を誘っていた。

「白川先生、本当にお食事だけでもいかがですか?ずっとお断りを受けて私も辛いわぁ」

「ハハ、南先生くらい綺麗な方が俺なんか相手にしないで下さいよ」

「白川先生、どれくらいおモテになってるか分かってらっしゃらないのね」

「すみません、疎くて。」

「そんな事言って、実は本命がいらっしゃるんじゃないの?」

「まぁ…そうですね。」

ドキンと心臓が鳴り、シーツを強く握ってしまう。

「本命っていうのはこうも愛しいものかと、日々感じて戸惑ってます」

「ヤダァ~っ!悔しいわぁ~っ!その方に飽きたらいつでもお相手させて頂きますよ~」

めげない女、南先生は冬空の言葉に心底恨めしそうにそう言うと、保健室を出ていく冬空を見送った。

俺はシーツを深く被り、ただでさえ火照った身体を更に熱くしていた。

冬空が言う本命は…俺の事…

愛しいって…言った。

俺は今、冬空の事が

知りたくてしょうがないって

思ってる。

投稿者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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