11

俺は翔さんから逃げるみたいにして更衣室へ走った。

好きだって

伝えるよ。

…なんて言葉…今の俺にはまるで後押しにしか聞こえなかったから…。

相葉さんに

もし、気持ちを伝えたら…

彼は俺を…受け入れてくれるだろうか…

体育は水泳だったんだけど…生ぬるい水温が頭を冷やしてはくれなかった。

深く潜ってから水面に顔を出す。

水から出た世界は相葉さんがいない世界で、水の中は彼の居る世界のようだった。

水の中は体が気持ちと同じようにしてフワフワする。

綺麗なのに息が出来なくて…とても苦しい。

相葉さん…早くあなたに会いたいよ。

夕方、バス停に向かう俺は決めていた。

好きだって伝えるんだ。

相葉さんに…伝えるんだ。

ぼろぼろのバス停が見える。

あぁ…居た。

長い足を優雅に組んで…いつも通り文庫本を眺めてる。

優しい目で。

俺はゆっくり相葉さんに近づいた。

影のせいで相葉さんに気付かれた。

『やぁやぁ…元気かい?今日も凄く暑いね。』

クシャっと微笑んでくれる笑顔を見て、俺は耳まで真っ赤になってしまう。

目を逸らして俯いた。

冷たい手が俺の手首を掴んだ。

『顔が赤いよ…熱でもあるんじゃ』

「ちっちがいます!…」

ゆっくり顔を上げると、相葉さんは優しくまた微笑んで首を傾げた。

『何かあったのかい?…俺で良ければ話を聞くよ?』

俺はスーッと息を吸い込んだ。

「貴方じゃなきゃ…話せません。」

『……どういう意味だい?』

相葉さんは俺の手を握った。

ベンチに座っている相葉さんと立ち尽くす俺は向かい合った形で手を握り合ってる。

相変わらず氷みたいに冷たい手を俺はソッと握り直した。

「俺…貴方が…好きです」

『…和くん…』

相葉さんが俺を呼ぶ声は

少しだけ  驚いて…

困っているような響きだった。

投稿者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です