イヴじゃなくて

spin off from  潤

コンサートの打ち合わせが続く

構成のたたき台出して練りにねる毎日

思うようにいかない照明の段取りやステージの段取り

メンバーをハケさせて衣装チェンジのタイミングと次に続くMC明けの秒刻みの曲入り

そこに入るトロッコやフロートの段取りやムービングステージの利用するタイミング

衣装にまで及ぶ論争

話し合う事は頭がおかしくなりそうなほどあって、こだわればこだわる程にスタッフの空気はピリピリした

良いものを作りたい者と惰性で成り立つと言い張る者の対立

コンサート時期にピリピリする理由の1つになる個々のポテンシャルの問題

毎回同じ事をしてるんだろ?

アイドル風情がこの程度だろう?

なんて来た客に言わせたくない

あっと驚いて嵐を感じて帰って貰う

おれの使命感はそんな風に回を重ねるごとに重圧みたいに膨らんでいった

気になった事は聞かずには居られないし、納得出来ない事はゼロにして挑みたい

昔から面倒な性格だとは思ってたけど、嵐のメンバーはそんな俺を認めてくれてる。

むしろ、コンサートは潤君主体に動かして貰ってるって感謝してくれてる。

俺もその賞賛には答えたい。

次のコンサートの打ち合わせが丸一日かかって終わった

間に1本相葉くんと雑誌のインタビューも挟んでのハードスケジュール

実のところはヘトヘトだ

でも、携帯を覗けば何件か呑み仲間からのメールと、相葉くんからの着信

何が優先て

とりあえず嵐でしょ

俺は相葉くんの番号をとりあえずタップして携帯を鳴らした。

『もしもし潤くん?』

「あぁ、相葉くん?今大丈夫?電話、貰ってたでしょ?」

『あ~もしかして、今終わった?打ち合わせだったんじゃない?』

「まぁね。いつもよりは早くまとまった…かなハハハ」

『そっか、じゃ、疲れてるね』

うちのメンバーは基本みんな気を遣う人ばかりだ。

だから、長い間一緒にやって来れてる。

だけど、この奥歯にものが挟まったような状態は好きじゃない。

「相葉くん、何かあったんでしょ?言いなよ…ニノ?」

『…察しが良くて助かるよ』

「ん~、そうだな今からだったら相葉くんちの方が近いから良かったら寄るけど?」

『うん、じゃあ待ってるよ。疲れてるのに本当ごめんね。』

相葉くんはすぐ謝る

ごめんね、ごめんねが彼の口癖かも知れない。

俺はマネージャーにとりあえず相葉くんのマンションに向かうようお願いした

相葉くんちのセキュリティーを抜けて玄関のチャイムを鳴らす

扉が開くと中からいい匂いがしてきた

『いらっしゃい、上がって上がって』

「お邪魔しまーす」

中に入ると、ソファーで囲んだテーブルにコロッケとビール

「相葉くん!もしかしてこれ!」

『松潤好きだろ~カニクリームコロッケ!』

「マジで!超~テンション上がる」

『良かったぁ~、いつもニノの話、聞いて貰ってるからさ。』

俺は肩を落とす相葉くんの背中をトンと叩いた

誰にも話せない、というよりは話しちゃいけないメンバー間の恋話を相葉くんは随分長い間悩んでる。

俺と言えば、別段解決策が出せるでもなく彼の話を聞いて上げるしか出来なかった。

この業界じゃ男同士の恋愛なんて正直珍しい話ではない

俺の割と広い交友関係の中にも男色家が居ないわけじゃないし。

まぁ、相葉くんはノンケ中のノンケらしいから今回のは彼にとっちゃイレギュラーな事件なんだろう。

分からなくはない。

相手はニノだ。

アイツは確かに男女を問わずに感情を掻き乱す何かを持ってる

おれだって末ズとか言って、ファンの為にアイツの肩を抱いたり軽いキスだってライブ中なら最早当たり前の域だ。

ただ、ドキドキしない相手かと言えば嘘になる。

華奢な身体つきに、白い肌、儚さを讃えた横顔はたまにハッとする程綺麗なんだ。

ニノのフェイスラインや鼻筋は俺にとっちゃ結構タイプだったりするし…

あれを脱がして…

ってヤバいヤバい

何にしても、相葉くんは大変な男に惚れたもんだ。

ソファーに腰を下ろして揚げたてのクリームコロッケを頂く

「うっまい!!…で、何があったの?」

『うん、昨日さ、飯、行ったじゃん?松潤が予約してくれたお店。あそこで、また変な空気になっちゃってね』

あぁ~、それで相葉くん今日のインタビューの時落ちてたんだ。

コロッケはフワフワ。

頭の中は昼間の相葉くんの様子が浮かんでた。

「変な空気って、つまりどういう事なわけ?」

相葉くんのかくかくしかじかを聞いて、大野さんとの会話が蘇る

“アイツらめんどくさいね”

まさにその通り。

ニノは相葉くんが好きで、相葉くんはようやく最近自分がニノを好きだと自覚した段階。

ニノは大野さんにこうして今の俺と相葉くんみたいに話をしているらしく…

まぁ、お互いに嵐ってグループが大事過ぎるゆえに、気持ちに蓋をして過ごしてる

そりゃ、そんな二人が無防備に2人きりになれば、何かズレが生じるのは否めないよな

「明日、俺ニノと雑誌一緒だわ…何か聞いとこうか?」

相葉くんはブンブン首を振っていいよ~!って否定する。

何だか不器用な2人が可哀想に思えたりする。

でも、本人達の問題に変わりなくて、正直なところ、嵐は国民的スターになりつつある今日、簡単に2人をくっつける手伝いも出来なかった。

本当に本当に本気なら別なんだけど、まだ、こうして2人に迷いが見え隠れしている以上、俺と大野さんは踏み込めないでいたんだ。

それからは酒を飲みながらニノへの想いを永遠聞いた。

誰にも打ち明けられない淡い恋の話は聞いていて心地よく、俺はいい感じに酔っていた。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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