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masaki’s Book

辺りを走って一通り探してはみた。

息が切れて、喉がギリッと痛む。

膝に手を突いて屈み息を整え、もう一度真っ直ぐに立って周りを見渡した。

『ハァ…くっそぉ…ハァ…マジかょ…やらかしてんなぁ、俺』

髪をグシャと掴んで肩を落とした。

電話も出ない。この辺りにも居ない。

行き違いを心配して探してたけど、あの人、人混み嫌いだろうし、もう帰ってるんじゃ…。

走り去るバス

駅のホームに滑り込む電車

…違う

タクシー!!

俺は慌てて歩道から身を乗り出し手を上げた。

駅近だったおかげで、タクシーは列をなして止まってくれる。

行き先を告げて乗り込む。

俺が悪い

俺が悪いんだ!

きっと傷つけた。

冷静になればなる程、さっきまでの流れがスローモーションみたいに繰り返し頭を駆け巡る。

ドクドクと不安に鳴る胸が痛くてギュッとシャツを握った。

手を離した事

友達だと嘘をついた事

それは俺の弱さだった事

ほんの少しの気遣いのなさが、あなたを傷つけたんなら、俺は最っ低に酷い奴だ。

タクシーは渋滞にハマって中々前に進まない。

ジワジワ迫る焦りから、携帯を何度も鳴らした。

だけど、一向に出る気配がなくてかければかけるほど怖くなった。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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