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masaki’s Book

ソファーには、ニコニコした吉高さん。

その隣で完全に怒り狂ってる二宮さん。

俺はローテーブルを前にフローリングに正座していた。

何とも言えない重い空気だ。

「あ、そうだ!あなた名前は?」

始まらないバトルに痺れを切らせた吉高さんが俺に話を振った。

『ぁ、紹介が遅れました!相葉、相葉雅紀です』

「相葉さん、先生と何で揉めてんですか?先生も黙ってちゃ話になりませんよ」

吉高さんの言いっぷりに二宮さんは腕組みしてフイと視線を逸らした。

「話なんて最初から無いよ。吉高さんが連れて来たんだろ!早く連れて帰んなよ」

吉高さんがキッと俺を睨んで指でクイクイと二宮さんを指さす。

早く何か言ってやんなさいよ!と言わんばかりだ。

俺は軽く咳払いして話を始めた。

『二宮さん…さっき、ごめんね。俺、二宮さんが有名人だから、勝手に打ち明けるのも違うのかな、なんて…勝手に二宮さんのせいにして…本当はビビったんです。初めて同性と付き合ってるって会社の先輩に言えなかった。本当は言いたくて仕方ないのに、二宮さんの事…絶対失くしたくないのに…』

「嘘つくなよ。二股とか彼女に悪いと思わねぇのかよ!」

吉高さんが二宮さんの反撃を聞いてブゥ~ッと顔を歪める。

『ちがっ!それは誤解ですっ!翔ちゃん先輩…あ、さっき出会った人なんですけど、俺がクリスマスの後、あんまり浮かれてたもんだから彼女出来たかって聞かれて…翔ちゃん先輩は二宮さんのファンだから、つい誤魔化してそんなとこですって言っちゃって…だから、その…あのっ!!』

俺は目の前のローテーブルにダンと手を突いた。

上半身を前のめりにソファーに座る二宮さんを覗き込んだ。

「なっ!…何だよ…」

『付き合ってるって…言っても…良いですか?誰に言っても、構いませんか?俺は良いんです!二宮さんが嫌なら、黙ってます。ただ、俺、いい加減な気持ちで付き合ってる人に、そんな見えるところ、キスマーク付けないですからっ!』

吉高さんが凄い勢いで二宮さんを振り返る。

二宮さんは顔を真っ赤にして、首筋を手で押さえつけた。

「バッ!おまえ何言ってんだよっ!」

「大丈夫っ!相葉さん続けてっ!」

「吉高さんっ!」

「あぁ!もう焦ったい!先生、こんなイケメン振っちゃうんですかぁ?!私、今ちょうどフリーなんですよ!貰っちゃいますよ?良いんですね?!」

どさくさに紛れて吉高さんが俺とどうにかなろうなんて提案をぶち込んでくるもんだから慌ててしまう。

『ちょっ!俺はそんなっ!』

「良いんですねっ!先生っ!」

俯いたままの二宮さんから、鼻を啜る音がする。

「なんっ何だよ!ふた…りしてっ!相葉さんっなんかっ!ズズッ…嫌いっだっ!…ぅ…」

なっ!泣いちゃったじゃんっ!!!

吉高さんのバカァー!!

俺は立ち上がって二宮さんの前に跪いた。髪を撫でて、頰に触れる。

温かい雫が指先を濡らして、俺はオロオロしながらその涙を拭った。

二宮さんの隣りに座っていた吉高さんがスッと立ち上がり俺を見下ろすと軽くウインクして見せる。

「先生っ!私、下のケーキ屋さんでお茶したら戻って来ますね!いつもの雑誌連載の原稿は頂きたいんでっ!じゃ、後で!」

グッと親指を俺に突き出すと吉高さんは部屋を出て行ってしまった。

『二宮さん…』

「はな…っせ…ズズ…」

『二宮さん…俺の事…もう嫌いですか?』

ギュッと頭を引き寄せ抱き抱える。

「ぅ…ぅゔ…バカっヤロっ…」

『はい。…本当、バカでした。…ごめんなさい。ごめんなさい。』

髪に何度もキスをしながらソッと頰を挟んで顔を引き上げた。

ボロボロ涙を落として鼻水を啜る二宮さんが可愛くて仕方なかった。

『嫌いに…ならないで下さい。』

「ぅ…くぅ…ズズ…」

『好きです。二宮さんが大好きです。…俺から、離れないで欲しい』

二宮さんはゆっくり俺の目を見つめた。

額を合わせ、その琥珀色に輝く瞳に吸い込まれる。

『はぁ~っっ!…っ無理だ!別れるとか、ほんっっっとに無理っ…あなたは俺のだよ』

「んぅっ…!ンッ…はぁっ…ン…ふっ…」

乱暴に唇を犯す。

そのままソファーに押したら、二宮さんが俺の胸ぐらを掴んでグイと引かれた。

鼻先がぶつかるギリギリで止められ、キツく睨みつけられる。

「構わないっ!」

『えっ?…えっと…』

狼狽える俺に二宮さんはもう一度言い放った。

「構わないっ!付き合ってるって…相葉さんが誰に言おうと…構わないよ」

そう言って首に腕が絡んで、俺の身体は二宮さんにゆっくり重なる。

くっきり痣になった首筋のキスマークが視界に飛び込んで、どうしてだか愛しくて堪らない気持ちが爆発しそうだった。

ゆっくり舌を這わせて同じ場所の皮膚に吸い付いた。

「ぅっ!くぅっ…いてぇっつってんだろ」

悪態を吐く二宮さんを無視して華奢な身体をぎゅぅーっと抱きしめた。

「くるっしい!」

『二宮さん…好き』

「どーだか」

『くふふ…すぐに分かります。ぁ…』

「何だよ」

『吉高さんが帰ったら…エッチしたいです。』

「はっ?!はぁっ?!何言って」

『ヤですか?…』

二宮さんは視線を逸らす。

『俺、今凄くしたいんです。ダメですか?』

「だからっ!そういうのいちいち言ってんじゃないよっ!恥ずくないのかよっ!」

真っ赤な二宮さんが可愛い。

『若干ですが恥ずいです。でも…』

「で、でも何だよ」

『失くすと思って、俺、怖かったから…すげぇ…怖かったから…ちゃんと…』

「あぁっもう!マジでうるせぇ…分かったからベラベラ喋ってんじゃねぇ」

二宮さんから俺にキスをくれる。

柔らかな唇と、甘い舌先が俺を探して彷徨って口内を掻き回してくる。

キツく唇を塞いで押さえつけると、息継ぎでいやらしい声が漏れる。

ちょっと開いた見下げるような視線がエロくて、キスだけじゃ止まらなくなりそうになる。

男のくせに

怖いくらいに

あざといんだ。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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