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masaki’s Book

定時退社出来る会社に居る訳じゃない。

ただ!定時にあがりたいんだ!

どうしても!

なぜって…予想以上に和不足。

自分でもこれは引くレベル…。

昨日一緒にいたんだ。

こんな事言ったら引かれちゃうかなぁ…。

ガッツリ仕事をこなしながら腕時計ばかり気にしてた。

隣りの席の翔ちゃん先輩が俺の背をポンと打つ。

前のめりになりながら、翔ちゃん先輩を恐る恐る振り返る。

『しょ、翔ちゃんせ』

「お前、人より何倍も働いたんだからもう上がって大丈夫だぞ。昼飯も食ってないだろ。そんなに会いたいもんかぁ?」

俺は顎をポリッと指先で掻いて苦笑いした。

『すみません、そんなに…会いたいです。』

俺のすまなそうな笑顔に、翔ちゃん先輩は肩を竦めて呟いた。

「本当、羨ましいわ、そういうの。」

俺は鞄を手にスーパーを目指した。

翔ちゃん先輩は、俺の事を本当に羨ましそうにしていて、何となく胸がモヤモヤした。

あんな良い人なんだ。早く素敵な人が現れやしないか…切実にそう願っていた。

電車を降りてスーパーまでを歩く。

いつの間にか歩幅が広くなり、競歩の選手さながらだったかもしれない。

スーパーの自動ドアをくぐり、真っ直ぐ店内を行くと、いつもの景色が変わりなく続いている。

ここで会う約束なんて勿論していない。

ただ、何となく…会えたら俺は

会えたら…

黄色いレモンが並んでいるのを横目に、辺りを見渡した。

会えたら…

どうしても伝えたい事があったんだよ。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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