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「んぅっ…はぁ…んっ…ふっ」

クチュっと音を立てて絡んだ舌を離す。

見つめ合うと、ニノが呟く。

「したい…」

『ダメだ』

「…勃ってる」

服の上からニノが俺の熱を撫であげて来る。

『やめっ』

「じゃあ…口ならいい?」

『ニノっ!』

「…ケチ…」

『おっまえ!ケチってなぁ!』

「あはは!怖い顔っ!ケーチッ!ケチッ!」

逃げながら揶揄うニノを追いかけて、やっとベッドに押し倒して捕まえた。

「ふふ…兄さんは詰めが甘いんだよ」

そう言って覆い被さっている俺の首に腕を絡めた。

引き寄せられたニノの瞳があんまり綺麗だから、観念した俺はそのままキスをする。

何度も 何度も

大切な物を扱う様に

優しく、丁寧に…

ニノの息が上がって行くのを感じながら、これ以上はとブレーキをかける。

理性が、ギリギリ音を立てる事を

初めて知る。

『俺たちも少し休もう…』

「ここで…」

一時も離れたがらないニノを

愛おしいと思う。

『あぁ…ここで一緒に寝よう。俺も…疲れたよ』

ニノを抱いて横になる。

やっぱり、ホテルの安いボディソープの香りが鼻をついた。

眉間に寄った皺を感じながらも、華奢な身体を抱きしめて、額に口付けた。

ニノも俺の体に腕を絡めて、胸元に頰を寄せながら、いつしか寝息を立てて眠った。

あの頃…

あの性別さえ関係の無かったあの頃の交流が、あのまま続いていたら…

俺たちは今、こうしていただろうか…

何度も訪れる否定と肯定に精神が擦り減るのを感じていた。

感情は愛を叫び、身体を求めるくせに、裏返せば直ぐにでも道徳的な自分が間違いであると否定しにかかる。

つまらない考えは捨てた筈なのに、寄せては返す波のようにそれは留まらず…口にこそしないまでも、何度も何度も

心をノックしてくる。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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