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『分かってるだろ?…』

「何がだ?」

試されているような気がして、ニノが頼った先が、おーちゃんで安心しているくせに、妙なヤキモチが邪魔をしたりと、落ち着かなかった。

『付き合ってる…ニノと。』

「へぇ…」

『へぇって!…もっと何かあんだろ?』

「ねぇよ…」

『ないわけないだろ!!俺たちっ…兄弟だし…』

おーちゃんは缶ビールの中を覗いたりしながら、ふにゃりと笑った。

「相葉ちゃん、初恋実って良かったじゃねぇか。もっと大事にしねぇと逃げられんぞ」

その言葉に、古い喫茶店のマスターを思い出していた。

“お似合いだね、羨ましい“

そう言われた時の解放感に似た感情。

いや、多分それよりも強い安心感。

自分の見知った人に、咎められない事が…

心を軽くする。

『翔ちゃんには話した。おーちゃんにも、近々言うつもりでいたんだ…』

「うん…話してくれるつもりだったんだろ?嬉しいよ。俺も翔ちゃんも心配だったからな。ニノも潤くんも入ってくる前からちょっとした有名人だったし。でも、最近二人とも変な噂聞かなくなってたな。」

『…うん、あ…おーちゃん、翔ちゃんの話は』

「あぁ、そっちも聞いてる…潤くんと上手くいったらしいな。二人とも良かったよ。」

『良かった…のかな…』

「何だよ」

『だって翔ちゃんと潤くんは良いよ?今はパートナーシップとかもあるわけだし…俺とニノは…』

「体裁が気になるのは分からなくもないさ…でも決めたんだろ?」

おーちゃんはそう言って続けた。

「俺は相葉ちゃんのちょっとぶっ飛んだところが昔から好きだよ。だから、前も言ったけど、相葉ちゃんは体裁とか気にしねぇと思ってた。まぁ、実際そういう訳にもいかねぇ事は確かなんだろうけどさ、考えようによっちゃ、お前らもう離れる事の方が難しいとこまで来てんだろ」

『どう言う意味?』

「そのまんまだよ?だって、兄弟なんだろ?誰が邪魔できんだよ。そんな指輪でも口約束でもない血の繋がりをさ、誰が壊せんの?」

またいつものようにフニャリと笑うおーちゃん。

血の繋がりを

誰が

壊せんの?

俺はただ呆然とおーちゃんを見つめた。

この人、色々やばいと思ってたけど…

マジでヤバい。

『ふふ…アハハ…はぁ~ぁっ!!ハハハハ!』

笑いが止まらなかった。

雨は止んでいて、そのせいか縁側の窓ガラスからは大きな月が見えていた。

「今日は泊まってけよ。ニノの隣に布団敷くと良い」

『…うん。ありがとう。』

「俺も女作ろうかなぁ~」

おーちゃんはふざけた調子で酒を煽った。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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