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おーちゃんの作るカレーは悔しいけど美味かった。

アレを超えてニノに美味しいと言わしめるには中々に骨が折れそうで、料理をしてこなかった俺は苦笑いしながら早々にカレーでおーちゃんに張り合うことをやめる事をコッソリ心で決めていた。

ニノが食べた食器を洗っている間、俺は泊めて貰った部屋の布団を畳みに来ていた。

そこへおーちゃんがやって来て、障子にもたれかかりながら腕組みして呟いた。

「大丈夫か?」

『…うん、心配かけてごめんね…。俺さ、おーちゃんが言った血の繋がり…味方につけるわ。ニノに…やっぱりやめようって言われて、正直堪えた。だから、もう…迷わないよ』

「……うん、何かあったら相談しろよ…相葉ちゃんは昔から一人で抱え込むからな…」

『そうかなぁ、ハハ…』

「そうだよ…はぁ~腹一杯になったらまた眠くなってきたな」

『クフフ、おーちゃんは腹いっぱいじゃなくてもいつも眠いじゃん』

「ん~…そうかぁ?」

『そ~だよ…おーちゃん陰でなんて言われてるか知ってる?お地蔵さんだかんね?』

「はぁ?何だそりゃ…」

眉間に皺を寄せてボリボリ頭を掻く。

そこへニノが

「洗い物終わったよ。布団片せた?」

『あぁ、今終わったとこ』

「帰んのか?」

『うん、キヨさんに書き置きはして来たんだけどね、話、しようと思うから』

おーちゃんはフニャリと笑ってニノの頭をグリグリ撫で回した。

「ニノ、がんばれよ」

ニノはその言葉に、一瞬俯いたんだけど、ニコリと微笑んで笑ってみせた。

キヨさんに話すことを、まだ躊躇うニノを感じたけれど、俺に迷いは

なかったんだ。

帰り道、足取りは勿論、軽いものじゃなかった。

ただ一歩進むに連れ、近づく家までの道のりを、この先忘れる事はないと感じていた。

時折触れるニノの指先が愛しくてたまらなかった。

知られてはいけない人と、知ってほしい人を選びながら、この先の長い人生を歩くんだ。

これは、ほんの序章に過ぎない。

好きなだけ。

それがたとえ、罪だとしても。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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