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masaki

ニノが噛み付いた親指の付け根あたりから血が滲んでいた。

ニノはたまにうなされる。

その後は決まって飛び起きて、酷い時には嘔吐したりした。

今日はまだマシだ。

自傷行為のような爪を噛む行為をやめさせるために差し出した手に噛み付く程度で済んだから。

翔先輩が言うように、別れる事が正しいのかも知れないけど、こんなニノを知ってるのは多分俺だけで、放っておく事は出来なかった。

何より厄介なのは、俺がちゃんとニノを好きだという事だ。

ただ、ニノがこうなる理由を俺は知らなかった。

聞く事も出来たのかも知れない。

だけど…そうする事が、何かを壊す事に繋がるような気がして、今のまま…現状を抱いていたくて、俺は踏み込んだりしなかった。

ニノが側に居る。

ただ、それだけで良いような気がしていたんだ。

指からじんわり滲む血をニノが舐める。

「まーくん…まーくんって…バカだよね」

俺はビックリしてニノを見下ろす。

目が合って、思わず苦笑いしてしまい、頭を撫でてからベッドを出て絆創膏を貼った。

ベッドに振り返ったら、丸くなってニノはもう眠っていた。

いつの間にか雨音が止んでいて、俺はブルッと身震いしてから、ニノが眠るベッドに入った。

“バカだよね”

そう言ったニノの気持ちは分からない。

俺がニノを好きな事?

俺がニノに甘い事?

バカなのはニノだよ。

俺はこんなに好きなんだ。

そろそろよそ見をやめないと…

翔先輩の言う通り…

さよならを言う事になっちゃうだろ。

ハッタリみたいに出て行けなんて言葉じゃないよ?

ちゃんと、さようならって

言っちゃうんだから…。

ニノの頭を抱き寄せて柔らかな髪にキスをする。

苦しい。

君が自由で

俺は苦しい。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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