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双子の兄弟の魂を引き上げる為に地上へ降りる。

ゆっくり寂れた倉庫に向かう。

もう随分と長い時間使われていないのが分かる程、建物自体が錆び付いていた。

その中に慎重に入っていく。

翔くんが先頭。後ろを松潤が背中合わせに入って行く。

俺と相葉くんは違う入り口から同じ態勢で中へ向かった。

ギギィッと嫌な音が上からしたと思った瞬間だ。

頭上に組まれた階段の陰から黒い物体が降ってきた。

バサバサバサッと激しい羽音が響いて、キンッと金属音が鳴る。

咄嗟に相葉くんが俺を翼で隠すように包む。彼は俺を背中に隠すよう手を引き、顔を上げた時には、相葉くんの白い羽根と、真っ黒な羽根がヒラヒラと交互に飛び散っていた。

「ぇ…ぅ…うそっ!何?!何なんだよっ!」

腰を抜かす俺の前に背中を向けて立つ相葉くんの翼からは沢山の赤い血が流れているのが見えた。

俺の膝元にその羽から滴った血がボタボタと水溜りを作る。

「ヒヒッ!中間区の使いの者達っ!一足遅いんちゃいまっかぁ~?」

相葉くんの向かいで、戯けた関西弁で喋る男の声。

黒くギラギラ光る翼がバサッと横に大きく開いて俺は更に尻もちを付き、立ち上がれなくなった。

相葉くんが片翼に手を回してギュッとそこを握る。

赤い血が指の間から滲み出て、俺はやっと事態を飲み込んだ。

悪魔だ!悪魔の天使を殺すナイフで斬りつけられたんだ!さっき俺を庇ったりしたから!!

「あっ!相葉くんっ!血がっ!どうしようっ!血が出てるよっ!!」

『わかってますっ!大丈夫っ!ニノは下がっていて下さいっ!俺の後ろに居てっ!』

ガシャーン

ガラスが割れるような音…

翔くん達が入った方からだっ…

ダラダラと冷や汗が流れる。

目の前の大切な人の羽根が見る見る赤く染まる。

天使は死なない!もう死んでるんだから!いや!違うっ!悪魔が持つナイフは…

天使を殺すナイフ!!

俺はガチガチ震える身体を戒めるように足をつねった。

それから、カッターシャツの胸ポケットにしまっていた銀色のナイフをソッと取り出す。

悪魔を…殺すナイフ…

戦わなくちゃ…俺だってっ!!

相葉くんがっ!相葉くんがっ!!

死んじゃうっ!!

投稿者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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