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「どうして…」

俺はクシャッと髪に指先を埋めた。

歪んだ顔に粉雪がかかる。

赤い赤い街並みが俺だけを弾くように染まって見えた。

ここで引き下がる訳には行かない。

理由を知りに来たんだ。

キミが…何故俺に何も言わないのか…それを暴くためなんだ。

ギリッと唇を噛んで柱の影から出て、シャンティの入り口に近づいた。

シャラン シャン シャラン

高い音が重なり合う鈴の音…

「こう毎日抜け出してきたんじゃ、番いにバレるぞ?」

中から声がする。

艶がある男の声。

遊郭さながらの紅色の格子の隙間から店内を覗いた。

「ぁ…いばくん…」

そこに居た彼は、茶ニス塗りの光沢ある中国風椅子に腰掛け俯いていた。

亀と呼ばれていたシャンティのボスが相葉くんの顎を扇子で掬って顔を近づけ呟く。

「健気だなぁ…」

相葉くんはフイと扇子を払うように顔を背けた。

『さっさと済ませてくれっ…早く帰らなきゃなんないんだ』

「他に言うことないのかねぇ…」

「亀、今日はどうする?」

「お前らの好きにしな…俺は腹一杯だ。」

シャラン シャランと音を立てながら、亀は相葉くんから少し離れた場所に置いてある向かい合った椅子に腰掛けた。

上田と中丸が顔を見合わせて相葉くんを囲う。

上田は後ろから相葉くんの首筋を撫で、唇を寄せた。

中丸はゆっくり彼のスラックスのファスナーに手をかけ…。

投稿者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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