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嫌だっ!

嫌だっ!!

嫌だっ!!

俺以外とっ!

何であんなっ!!

“足跡消えちゃいますね”

“ニノの淹れてくれるコーヒー…凄く美味しいから楽しみです”

“俺にとっては、ニノが全てですから”

相葉くんの優しい鼻にかかった声が痛いくらい耳元で囁いてくる。

何度も何度も、好きですと繰り返してくる。

俺は号泣しながら丘の上の平屋に向け走った。

嘘だった?

全部…俺への言葉は全部…

運命の番いだと分かって、奇跡なんだと思っていた。

運命ってあるんだと、一生、存在がある限り、一緒に居るんだと思っていた。

何より、男をこんなに愛するなんて思いもしなかったんだ。

相葉くんだから!

相葉くんが運命だから!

運命の番いだからっ!!

雪で何度も転びかける。

裏切られた絶望感からか、嫉妬心からか、相葉くんが自分から離れて行く焦燥感からか…

頭の中で、鈴の音が煩い!

追いかけてくる!

煩いっ!

煩いよっっ!!!

ずるっと無様に足が滑って、斜面に跪く。

雪の上についた手のひらを握りしめる。

残酷だよ…

太陽が昇る。

振り返った雪の斜面をキラキラ照らして、グラグラ揺れる朝陽に焼かれる。

膝から滲む血が赤くて、朝陽と重なって、余計に虚しくなる。

死んでいるのに苦しい。

死んでいるくせに…心臓が痛い。

存在が消えるまで…無くならないって言うのかよ…。

こんなに綺麗な夜明けを

キミはどんな気持ちで

迎えていたの?

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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