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膝にかかる彼の手が小刻みに震えている。

いくつもの涙が立てられた膝に落ち、太ももへ流れる。

俺はギュッと縛られた手に力を込めながら身を捩った。

「んで…なんでっ泣くんだよっ!何でっ!!クソっ!!ぁいばくんっ!…相葉くんっ!!」

相葉くんは裸にした俺に、バサっとシーツを掛けてベッドから降りた。

縛ったネクタイを静かに解いて、黙って部屋を出て行こうとする。

「待っ待ってよっ!!…待って」

『どうしても…』

「え?…何?」

『どうしても…ニノには……』

相葉くんはドアノブを握ったまま振り向いた。

静かに涙を流しながら

『あなたには知られたくなかった』

そう言って…またどうしょうもない苦笑いを作って…

部屋を出て行った。

追いかけなきゃっ!追いかけなきゃっ!

心が騒ぐのに、足腰が立たない。

相葉くんのあんな乱暴なところ、見たことなかったせいで、腰が抜けたようだった。身体が思うように動かず、ヨタヨタとベッドの上を四つん這いで歩き、縁まで来て何とか両足を下ろし立ち上がった。

寝室を飛び出した時には、静寂しかなくて…。

俺は相葉くんの翼から散ったであろう大きな羽根をへたり込んで手に取った。

艶のないバザバサした羽根は、恐らくさっきの行為の拒否反応…。

最初は本当に仕事で根を詰めて体力を消耗したせいかと思ってた。

次第に朝居ない回数が増えるに連れ、何か別の事を考え始めた。

でも…俺以外と…あんな事をしているなんて…そのせいで…こんなにもズタボロになって…

毎朝、コーヒーを差し出すと…キミは俺に優しいキスをして、何度も何度もついばむ様に繰り返して、我慢出来なくなった俺が舌先を差し出して、甘い香りに包まれながら、相葉くんがそれを飲み込む。

俺はあの時のキミの幸せそうな顔が

大好きなんだ。

満たされたように俺を抱いて、鼻先を擦り寄せながら、どうしょうもない甘えん坊のように肩に頰を乗せ、首筋にもキスをくれる。

大人のようで、物凄く幼い相葉くん。

今思えば…キミの体と心はアンバランスで…

俺がもっと…

もっと早く気づけば良かったんだ…

キミは泣き虫だって事。

もっと早く、気づけば良かった。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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