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俺はバルコニーに飛び出した。

たった一人の足跡が白い雪を踏みならし跡を残す。

バルコニーの板がギリギリの所まで来て、断崖絶壁の下を見下ろし、フゥッと短く息を吐いた。

顔を上げると、中間区の街並みが綺麗に雪化粧をしているのが見渡せる。

手にしたままの相葉くんの羽根に口づけた。

白い翼を目一杯広げて、冷たい空気を煽ぐ。

ふわっと足元が浮いて、俺はそのまま翼を羽ばたかせて丘をくだった。

早く見つけなきゃっ!

早くっ!

キョロキョロと辺りを見渡しながら中間区を探し回る。

相葉くんが中間区で翼を使っているのは大抵犯罪者だと言っていたのを思い出す。

だけど…早く見つけなくちゃ…。

そんな事を考えながら飛んでいた矢先、後ろから強い風を感じて振り返ると、俺はあっという間に地面に腹這いに押さえつけられていた。

「イッ…タイよっ!!何だよっ!」

「中間区パトロール隊だっ!何故翼を使ってるっ!!」

頭を押さえつけられ、ジャリっと頰に小石が食い込む。

大男三人かがりに体を押さえ込まれ、息も出来なくなる。

ヤバい…意識飛ぶ…落ちる…

『その人から離れて下さいっ!!』

バサバサっと羽音がして、薄れていく意識の中、探し回っていた人の声が頭上で響く。

『チーム名は嵐ですっ!』

「ごっ!ご苦労様ですっ!」

ダメだ…目、開けなきゃっ!

相葉くんの声だもん…

目…開かな…きゃ…

ボヤけていた視界はすっかり幕を下ろしてしまった。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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