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「相葉くん、大丈夫?一体何言われたんだよ」

ベッドから下りて俯く彼を抱きしめる。

『運命の番いが見つかって良かったなぁと。』

「なんだ、そんな事」

『ソイツがまだまだ残ってる借金を知ったら、どうするかなぁ?彼は疎ましく思わないかい?番いは二人で一つ。金も家も仕事も共有だ。彼の翼の薬代もそろそろ都合を付けないと…』

俺は息を呑んだ。

「そんな…脅しじゃないかよ」

相葉くんは頭を左右に振る。

『俺には十分すぎる真っ当な話でした。金は人を狂わせる…俺は…それを誰よりよく知ってます。だから…ニノに金の全てを知られたくなかった。…怖くて、怖くて堪らなかった。』

「ちょっ…ちょっと待ってよ…まさか…相葉くん!俺の翼の薬代まで払ってたんじゃ…」

ガシッと肩を掴むと、項垂れていた頭がコテンと横に傾き、目を細めて俺に笑いかけた。

あの時折見せる、どうしょうもなく寂しい笑顔だ。

「そんなっ!だってキミっ!まだ払わなくて大丈夫!大丈夫って何度聞いても軽くあしらって…」

『全部…帳消しにしたかったんです。何もかも…うんと早く…すぐにでも…ニノに嫌われたくなかった。ニノに、お金の心配はいらないと言いたかった。俺は、もう一人になりたくなくて…あなたに…ただ…嫌われたくなかった』

微笑みながら泣く彼は、わんわんと泣く赤ん坊のように見えた。

心が

苦しい。

相葉くんの頭を胸元に抱く。髪を何度も撫でながら話した。

「相葉くん、俺はね…」

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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