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二人が帰ってしまったこの部屋を、初めて広いと感じた。

広すぎる。

リビングの大きなソファーにぐったり横たわる二宮さんからは、寂しさしか感じられず、俺の中で戸惑いが渦巻いて行くのを感じていた。

でも…俺に…

俺の携帯に電話した事…

それは、意味があるって…勘違いして構わないですよね?

ゆっくりバルコニーに通じるガラスに触れた。

『雅…ゆるさない…俺からこの人を取り上げたら…許さないからな』

呟いてガラスに額を押し付けた。

目を閉じて唇を食いしばると、痛みで現実が見える気がした。

二宮さんは、雅になりたかったのか…

雅の気持ちを…確かめたかったのか…

薬を打って、腕を切り、ここから落ちるつもりだった?

俺に…異変を感じさせて?

これだから俺の飼い主は困る。

俺の知る二宮さんは…

二宮さんは…小柄で色白、口が上手くて天性の人たらし、それでいてわがままな上、金に目がなく、自分に執着心がない。

ビー玉みたいな琥珀色の瞳が、時折意思を持ち、苦悩に歪む事がある。

苦悩の理由はつい先日知ったばかり。

だけど…

もう良いだろ?その飄々とした態度で、俺を翻弄して…満足しなよ。

たまに飼い犬に噛み付かれて、たったそれくらいの事でさ…顔を歪めてれば良いよ。

あんたはもう…苦しまなくていい。

このまま呪われたように生きるなんて

俺が許さない。

投稿者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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