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「ニノ、顔赤くない?」

「あ、大丈夫…ちょっとビックリしただけ。学食…いこうか」

「あぁ…てかさ、バインダーは?取りに行ったんじゃなかったのかよ」

「う、うん、なんか二階だし…またでいっかぁってなっちゃった。ハハ…お腹空いてダメだわ」

さっき見た事…どうして俺、潤くんに言わないんだろう?

あんなのっ!あんなのっ!

ぎゅぅーっと、胸元を掴んで俯く。

「ニノ?そんな腹減った?大丈夫?」

潤くんが俯いた俺を覗き込む。

俺は目を閉じてフルフルと顔を左右に振った。

「おぃ…大丈夫かぁ…保健室行く?」

「ぃ…行かないっ!行かないっ!飯っ!行こっ!」

俺は潤くんのブレザーを引っ張った。

潤くんはよろめきながら付いてくる。

学食に向かってズンズン歩く俺は、頭の中の映像が消えないままだった。

甘い声で喘ぐ生徒

剥き出しの下半身

白衣で見えない肝心な部分。

だけど、動きは間違いなく腰を打ち付けるソレで…。

あれは…校内sE x。

俺は…放課後そこへ行かなきゃならない。

相葉先生は生徒に視線を落としたまま、ニヤリと笑っていた。

俺が立てた物音に…気付いてじゃないはず。

何も見なかった事に…

今なら出来る。

出来るよな…。

混み合った学食、メニューは半分完売…。

「潤くん…ごめん、俺がモタモタしてたから」

「いいよ。俺、次のドラマ体重落とさないとならないし、うどんとかならまだ残ってるぜ」

「ぁ…うん、ありがとう。」

何とか食いっぱぐれる事だけは逃れた。

席も、何人かのグループが早々に食べ終わり譲ってくれる。

一年の生徒が何人か潤くんにサインをねだりに来てた。

俺は昔からの光景なので、それについてあまり気にならない。

うどんを啜りながら俺はチラチラ向かいの席に座る潤くんを盗み見た。

「何だよ…さっきから珍しく落ち着きないな。」

潤くんの視野は鳥類並みに広い事をすっかり忘れていた。

「えっと…俺、そんなに見てた?」

潤くんはどんぶりを盃みたいに傾けてズズズぅ…と音を立てた。

コトンとトレーにどんぶりを戻した彼はジッと俺を見て言う。

「次の体育がそんなに嫌なのかよ。」

何だか得意げに話し出す潤くんに一瞬ポカンとしてしまう。

たまに思うんだけど、潤くんが芸能界で天使なんて言われてんのは間違いなくこの国宝級の顔面のせいなんだけど、同時に完璧な天然をかます所にあるような気がしてならない。

とりあえず今回はその天然が有り難かった。

「あぁ…分かっちゃった?…昨日さ、結構遅くまでゲームやり込んじゃって、足首捻挫気味なんじゃないかってくらい痛い。ずっと胡座してたもんだからさ」

クスクス笑いながら告げると、しょうがねぇなぁって笑う潤くん。

さっき見た事なんて、言えるはずがなかった。

だって…だって…。

俺はまだ…ドキドキしていたからだ。

理由はわからない。

ただ、ドキドキと胸が騒いでいたんだ。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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