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マネージャーの車が自分のマンションに着いた頃、相葉さんからの着信で携帯が震えた。
電話に出ながらマネージャーに軽く手を挙げて車を降りる。
バンが走り去ったのを見つめながら、相葉さんの優しい声を確認した。
『ニノ?』
「うん」
『今大丈夫かな?電話出れなくてごめんね?』
「うん、大丈夫よ。相葉さんさ、今日何してんの?」
『ドラマの撮影今終わったんだ。ニノは?』
「俺も今雑誌終わって家着いたとこ」
『「 …… 」』
ヤバい、何だこのお互いの沈黙は。
ここは腹括ってた俺がおまえんちに行くって言わなきゃ
『「 あのさ! 」』
「あ、何?」
『いや、ニノが先に言って』
「うん…相葉さん、今からそっち行っていいかな?」
『ほんと?来てくれるの?じゃあさ、ビール冷やして待ってるよ!』
幾分かいつも通りを取り戻した雰囲気で相葉さんが元気良く言ってくれた。
「オッケー、なんかつまみ持ってくわぁ、じゃ!後で」
相葉さんの声…
愛しい声…
堪んないなぁ
俺は自分の部屋のソファーに仰向けに倒れ込み顔を覆って笑った。
ほんと、苦しくて堪んないよ相葉さん…