13

これは…

予想してなかった…。

マジ寝?

ガチ寝?

…ええ?起きないの?

「相葉先生…」

あんまり大きな声が出せないでいるせいか、相葉先生はピクリとも動かない。

スヤスヤ寝息に揺れる背中。

黒い瞳は閉じられて、長い睫毛がサラサラの前髪の隙間から伺えた。

腕に頰を乗せて綺麗な顔で気持ち良さそうに眠っている。

俺はどうしていいか分からず丸い回転する椅子に座り、キャスターを転がして相葉先生に近づいてみた。

そぉっと顔を近づけてみても起きない。

サラサラの前髪に人差し指で触れてみた。

前髪を分けると閉じた瞼に長い睫毛が露わになる。

その時だった。

パチッと瞼が開いて、黒い瞳が目の前の俺を捉えた。

前髪に触れていた指先をギュッと掴まれる。

「ちょっ!」

『二ノ宮くんは…こっち側かな?』

まだ腕に頰を寝かしたまま俺を見てニヤリと笑う。言われている意味が理解出来ないまま耳がカァーッと赤くなるのが分かった。

指先を掴まれただけなのに身体ごと引き寄せられて鼻先が触れ合いそうになる。

『綺麗な目だね…ブラウンでキラキラしてるよ』

ハッと息が漏れる。

苦しい。緊張でどうにかなりそうだった。息の仕方を忘れたように。

パッと指先を離されて、相葉先生が机に突っ伏していた身体を起こした。

グーンと伸びをしてニッコリ微笑みかけられる。

『ごめん、ごめん。呼び付けたくせに、寝ちゃってたね。』

「ぁ…いや…その…大丈夫です。」

ちょっと安心した俺を知ってか、相葉先生は片方の口角を吊り上げて笑いながら言った。

『寝てる俺に…何してたの?』

ガチャッと丸椅子が音を立てて、足の爪先が床を踏んで後ずさる。

後ろに遠ざかり転がる丸椅子に座る俺を相葉先生はクシャッと微笑み呟いた。

『おいで……怖くないよ』

優しい…声。

優しい…笑顔。

俺はさっきと逆に、ゆっくり足を踏ん張ってキャスターを前に移動し、椅子ごと相葉先生に近づく。

相葉先生の手が頰に触れる。指先がゆっくり唇をなぞって、長い指が急に口の中に差し込まれた。

「うっ!ぅゔっ!」

『あぁ~…いぃ~顔だ。吐きそうか?苦しいか?』

さっきまでの優しい表情は無かった。

二本の指先をグッと舌の上に乗せて奥へ押し込んでくる。

何とも言い難い嘔吐感が込み上げて、むせる。

「グハッ!ぅゔぐっ!」

向かいの椅子に座る相葉先生は冷たい顔で俺を見下ろした。

涙が滲んで視界が曇る。

クイっと空いた手でネクタイを緩めるのを顎を上げ苦しみに声を漏らし見つめる。

『ヨダレぇ垂れてるよ?…俺ね、口の中に入れた指先の感覚…大好き。苦しそうにする顔もたまんない…ねぇ…もっと苦しそうな顔…して。』

グッと強く舌の上を撫でてくる。

「ゔぅっ!ゔっっ!」

『くふふ…たまんないな…』

シュルっと音がして相葉先生の襟からネクタイが抜けた。

ゆっくり指先が喉奥から抜かれる。

目の前の相葉先生の指は俺の唾液を滴らせて糸を引いていた。

「ハァっ…ハァっ…くっ…ぅ…ゴホッゴホッ」

唇をゆっくり手の甲で拭う。涙がボタボタ溢れた。

相葉先生は両手でピンと張ったネクタイをゆっくり俺の目に近づける。

俺はただ泣いていて、震えていて、どうしてだか抵抗出来なかった。

暗くて…甘い香りが近い。

頭の後ろで数本の髪を巻き込みながらネクタイが結ばれていく。

俺は、相葉先生のされるがまま動けずにいた。

蘇っていたのは…何週間も前に見た男子生徒とのs Ex。

ネクタイの目隠し…

剥き出しの下半身…

ふ羨んだ俺の…黒い感情。

投稿者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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