18

俺はゆっくり保健室を出た。

口の中であなたが暴れている気がする。

白い濁りを纏わせて…。

特別棟から通路に出た。

ゆっくり振り返っても、事が済んだあなたは、以前みたいに、怪しい視線を投げてくれない。

誰も居ないように静かな向こう側に背中を向けた。

途端にボロボロと涙が溢れ出す。

震えが止まらない肩を自分で抱きしめて押さえつけた。

自分でも…もう引き返せないのだと…

ゆっくり、沈んで行くんだろうと…

不安定な思春期の心が覚悟を決めていた。

相葉先生が

好きです。

もう…俺にはどうする事も、出来ないよ。

小さな、小さな舟が、荒波を受けて揺れている。

このまま転覆してしまうのか…

持ち堪えたところで、きっと何処かが不完全で、浸水し始めてしまう。

初めて、人を好きだと思ってる。

こんなにも苦しいなんて…知らない。

唇が…乾燥して、ひび割れる。

心と同じに

ひび割れる。

俺は結局、お昼休みまで教室に戻れず、体育館の裏で、うずくまっていた。

動けずに、震えながら…泣きながら…。

冷静になればなる程、あの人を知りたいと思った。相葉先生の不敵な笑みが頭を過ぎる。

そうしてる間にも俺の想いは落ち着くどころか、膨らんでいた。

体育館裏の階段に腰掛けていた俺は立ち上がって制服の汚れを払う。

それから、今からもう一度保健室へ乗り込む事を決めた。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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