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コール音が続く。

携帯を耳に当てながら、細く息を吐いた。

『…はい』

「あっ!あのっ!俺です!」

何を言っているんだか…

浮かない低い声に、やっぱりかけたのはマズかったのかと、心臓がドキドキと緊張に向けて走り出した。

『…くふふ…分かるよ。どうしたの?今日、休みだろ?』

「えっと…」

『寂しくなった?…俺に………会いたい?』

ドキン ドキンと…

それはそれは…

簡単に弾む

簡単に弾んで

加速する…

「ぁ…いたい…です。」

『…フフ…可愛いな…じゃあ…うち、来る?』

まさかのお誘い!

俺はギュッと自分の胸元の服を握った。

「い、いいんですか?」

逸る気持ちをぐっと堪えて問い返す。

それが正しいのかは分からない。

『…おまえが良いなら…いんじゃね?』

「俺はっ…俺は大丈夫です…」

電話口でクスクス笑い声がする。

「…そんなに…笑わないでください」

恥ずかしくてポツリと呟いた。

笑い声はピタリと止んで

『住所、ラインするから。』

相葉先生はそう言って電話を切った。

怒った?

何だか冷たく感じたけど…先生の住所はすぐ送られてきた。

俺は気を取り直して着替えを済ませ、光が差す玄関が見える階段をくだった。

携帯のナビを頼りに辺りをキョロキョロしながら街を歩く。

住所からいって、きっとマンションに違いなかった。

道を挟んだ向こう側の歩道に、俺はその背中を見つけてしまう。

ガードパイプに腰掛けた先生の横顔は、学校にいる時より随分と若く見えた。

Waxでセットされていない髪のせいだろうか…それとも、長い指先に挟まれたタバコから燻る紫煙のせいか…。

俺は何だか胸が熱くなって、このままいつまでだって、そのカッコイイ姿を見ていられそうだった。

だけど、相葉先生はすぐに反対側に居る俺に気付いてしまう。

片方の手をポケットに入れたまま、タバコを持つ手を軽く上げた。

慌てて会釈する。

少し先に見える横断歩道まで駆けて

道を渡った。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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