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ラーメン屋を出て、近所のカフェに入った。

コーヒー好きの相葉さんと、食後の一杯だ。

カウンターテーブルで横並びに座り、俺は頬杖をつきながら相葉さんを見つめた。

『な、何?』

「ううん…お昼から、櫻井主任と行っちゃうんだなぁ…って思っただけ」

『くふふ…寂しいの?捨てられた子犬みたいな目して』

あ、それは…地雷じゃない?

「ふふ、寂しいなぁ…寂しいから、俺も拾ってよ」

頬杖をついた顔をよりコテンと横に倒した。

相葉さんは自分の言った冗談に責任を取れない慌てっぷりで、口に入れたコーヒーでむせかえる。

「大丈夫?!」

『ゴホッ!ゲホっ!だっ!大丈夫、大丈夫!』

口元から少し垂れたコーヒーをすかさずに紙ナプキンで拭う。

俺が拭う手に相葉さんが手を重ねて、彼はハッとした顔をした。

『ごっ!ごめっ!』

「ふふ…変なの。何で謝んの?ほら…ちゃんと拭いて」

『ぁ…うん』

相葉さんは戸惑いながら俺から紙ナプキンを受け取り、口元を拭った。

「ふふ…いつでも待ってるからさ、拾ってくれんの」

仕上げと言わんばかりに念を押した。

相葉さんはカァッと顔を赤くして、口元を拭き続けた。

『ニノは…面白い事言うね』

「相葉さんがそう思うなら…嬉しいな」

俺はゆっくりコーヒーカップを傾けて、窓から見える景色を見つめた。

雨は上がっているし、外はいつもと変わらない人の流れ。

ただ、変わったのは…

ほんの少しだけでも、変わったのは…

相葉さんが

俺を見る目。

頼りない後輩。

可愛い後輩。

懐いてくる後輩。

酒を共に飲む後輩。

家に招待する後輩。

ほんの少し、少し…

少しずつ…

気になる後輩。

投稿者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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