17

二人オフィスを出て廊下を歩く。

突き当たりの休憩室で松本さんが携帯を片手に休んでいた。

俺は隣りを歩く相葉さんを見上げる。

相葉さんも、うんと頷き、二人で休憩室に入った。

「松本さんっ!」

「お!ニノ!相葉くんも!血、止まったか?」

椅子から立ち上がると、俺の頭をクシャっと撫でて覗き込んでくる。

思ったより距離が近くて、俺は顎を引きながら頷いた。

「うん…ありがとう。助かったよ」

『あれ?ニノ、敬語じゃなくなってる』

相葉さんがビックリした顔で呟いた。

「ふふ!なぁんか、懐かねぇ犬が急に懐き出したみたいで可愛いな!なぁ~ニノ!」

松本さんは俺にじゃれつくように肩を抱きながら相葉さんに相槌を求めた。

よろめく俺を見つめながら、相葉さんは苦笑いする。

『松潤、ニノちっちゃいんだから乗っかったら重いよ。』

「あ!相葉くん、もしかしてちょっと妬いてる?」

『は?なっ!何で俺が妬くんだよ!』

相葉さんは狼狽えるように否定する。

松本さんは俺の肩を抱きながら顔を覗き込んできた。

「ふふ、そりゃそうか!相葉くん超ノンケだもんな!…俺と違って」

相葉さんはキュッと唇を噛んで顔を赤くして、俯いた。

俺と違って?

て事は…え?松本さんて…

「松本さんて…ゲイなの?」

俺は恐る恐る肩を抱く彼を見上げた。

「いや、ゲイじゃない。バイだ。どっちでもいけるってだけ。俺、ニノだったら全然イケるぜ?」

ハッキリと意思表示する彼らしくキッパリ言い放つ。

相葉さんが慌てて俺の腕を引いて引き寄せた。

『まっ!松潤!会社では公表しないって言ってたじゃん!ニノもビックリしてるよ!ね!ニノっ!』

相葉さんの隣に戻った俺はヘラっと笑うよりなかった。

それより、その後に呟いた松本さんの言葉に、俺は静かに背中を冷や汗が伝うのを感じていた。

「えぇ~そうかな?俺、ニノはこっちの人間だと思ったんだけど……違ったかぁ」

いや、違ってない。

むしろ…俺はバイじゃなくて、がっちりゲイだ。女に興味は持てない。

それを見抜かれた事は…

今まで一度もないってのに…

どうしたもんか…本当、視野も勘も鋭くて参るよ。

投稿者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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