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目の前の階段が、どれほど長く感じたか知れない。

こんなにも、怒りを胸に抱えた事は…かつて無いだろう。

どうしょうもなく

それは心音を響かせ、意識を混濁させる。

雨音が強まり、俺はゆっくり階段を登る。

静かに、確実に…。

愛おしい人の、涙に濡れた喘ぎ声が、俺を人間から何かに変える。

階段を上がり切った先の突き当たりにある部屋の扉には、何十にも鍵がつけられている。

計画的に、ここへ閉じ込めるつもりだった事が明確だ。

後ろを振り返ると、俺の足から滴る血液が点々と見える。

それを見て、俺はどうしてだか薄ら笑いを浮かべていた。

許さない。

俺の

俺の

俺の

大切な弟なんだ。

殺してやる。

許さない。

絶対

許さない。

殺す。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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