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yellow side

ガラガラッと勢いよく隣のクラスの扉を開ける。

「まーくんっ!お待たせっ…て…ウソ…寝ちゃってる?」

まーくんは後ろから3番目くらいの席に鞄を枕にして抱きつくように眠っていた。

俺はそぉっと隣の席の椅子を引いて、同じように机に耳を当てて隣のまーくんを同じ目線で眺めた。

サラサラの髪が流れてて、ちょっと間抜けに開いた口が可愛い。

睫毛…長いな…

暫く観察していた俺はゆっくり人差し指を伸ばす。

鼻筋をスーッと撫でて見る。

綺麗だなぁ…昔からほんっとに整った顔をしてるんだ。

そこから、少し開いた唇に恐る恐る触れてみた。

カキーンとバットが球を打ち上げた音が響いて、身体がビクンと跳ねる。

それでも止められず、上唇をなで、柔らかな下唇をなぞろうと真ん中まで行った時だ。

ギュッと手首を掴まれ、まーくんが俺の人差し指に噛み付いた。

「ぅわぁっ!まーくんっ!いっ!痛いよっ!」

咥えていた人差し指から歯を緩め、代わりに舌が指先の腹を舐めた。

「まっ!まぁっくんっ…」

ゾクゾクッと身体に走る電流みたいな物にギュッと目を閉じ肩を縮めてしまう。

チュ…チュク…

エッチな音にゆっくり震える瞼を開いてみる。

まーくんは真っ直ぐ俺の顔を見つめながら指を舐めては軽く甘噛みしてくる。

掴まれた手首がジンとして、我慢できなくて、身を捩った。

「んっ!」

パッと手首を離される。

まーくんはゆっくり立ち上がって、俺の手を握ると、少し屈んでちょっと泣きそうな顔をしながら呟いた。

『怖かった?…ごめんね。…カズが悪戯するから、俺も仕返ししたくなっちゃった。』

ポンと頭を撫でられて、まーくんは自分の鞄を肩に担いで出口の方へ歩き出す。

俺は掴まれていた手首に触れながら、大人の顔をするまーくんに戸惑っていた。

慌てて自分の鞄を胸元に抱く。

まーくんが扉の所で振り返ると、優しく笑って

『CD、見に行こうね』

と言った。

“俺も仕返ししたくなっちゃった”

頭の中でクラクラ響く。

鼻にかかった優しい声。

それなのに……凄くエッチに聞こえて、俺の知ってるまーくんじゃないみたい。

オレンジの夕陽に染まったまーくんが、カッコ良すぎて…

何だか突然、手を繋げない切なさに…

泣きそうになるのを堪えて

小さく頷いた。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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