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Green side

あぁ~ぁ…なんか変な空気になっちゃったな…

カズ…怒ってるよね…

俺は横を歩くカズをチラリと見下ろす。

カズは唇をキュッと結んだまま、無言を決め込んでいた。

繕うように声を掛けてみる。

『ぁ~っ…カズ?えっとぉ…あ!アイス!食べない?ほらっ!あそこ!ソフトクリーム売ってるよ』

「まーくんの奢りね」

ムスッとしたまま呟くカズ。

『うんっ!いいよ。行こう』

俺はソフトクリームが売っているキッチンカーに向かって歩いた。

店の前について、カズの顔を覗き込む。

『何味がいい?バニラ?チョコ?』

カズはメニュー表の立て看板を見つめてから呟いた。

「まーくんと一緒がいい」

俺はあんまりに昔と変わらないカズにクスッと笑ってしまう。

「なっ!何っ?」

カズが笑われた事に腹を立てて食いついてくる。

『いや、ごめんごめん!ちょっと昔を思い出しちゃっただけ。』

「何よ、昔って…」

上目遣いに訝しがるカズ。

『小っちゃい時もさ、よくお菓子とか買いに行って、カズは好きな物をとるでしょ?俺もね。で、家に帰って、俺が自分のお菓子開けたらさ、カズがジーっとこっち見て、やっぱり俺もそれが良いって。フフ、いっつもそうだったよね?カズは最後にはまーくんと同じが良いーって泣いちゃって。可愛かったなぁ~』

昔を思い出す様に呟くと、カズがボソリと呟いた。

「今は…可愛くないのかよ」

『え?』

俺は思わず戸惑ってしまう。

『いや!違っ!言葉のあやだよ!今も勿論カズは可愛いよっ!』

慌てて弁解すると、カズは口元に手を当てながら笑い出した。

「フフッ!まーくん慌て過ぎ!」

かっ!可愛いっ!!

昔なんかよりずっとずっと可愛い!!

俺は無邪気に笑うカズから顔を逸らしてメニュー表を指さした。

『これ、珍しくない?バニラのハチミツがけだって。どう?』

「うんっ。じゃあそれにする!」

『よし、決まりね』

俺達はキッチンカーのお姉さんにソフトクリームを二つオーダーした。

その二つを俺が受け取って一つをカズに手渡す。

『あそこの公園で食べようか』

「うんっ!」

目をキラキラさせて頷くカズ。

ベンチを見つけて二人そこに座る事にした。

すっかり機嫌が良くなったカズはソフトクリームを舐めながら、今日の目的であるCDの話を嬉しそうにする。

俺はうんうんと頷きながら、楽しそうに話すカズを見ていた。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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