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Green side

母さんも父さんも帰りは深夜だ。

こんなチャンスは滅多にない!と意気込んだまでは良かったんだけど…。

上手くいきそうな雰囲気は一転、胸元を押し退け拒否られてしまった。

これは流石にキツい…。

普段溢さない弱音がつい口をついて出てしまった。

だって…カズが嫌なら…俺はきっと何も出来ない。

カズが何より大切だし、絶対に失いたくないから。

そうしたらカズが慌てた様子で抱きついて来るもんだから…正直ビックリした。

いつものツンデレで、飴と鞭には慣れてるつもりでいたのに、こうしてカズから愛情表現されると、やっぱりドキドキは抑え切らない。

俺は完全にこの小悪魔の虜なんだと実感してしまう。

可愛い。

薄いブラウンの瞳をキラキラさせて…俺の恋人だって思ったら、どうしょうもなく幸せな気持ちになる。

「まーくん…俺ね、まーくんだけ好きだよ…だからそんな事、言わないでよ」

カズが俺にちゃんと気持ちを言葉にしてくれたと思った後だ。

白くてふわふわした手が…

俺の盛った熱にソッと触れた。

ビクッと思わず身体が強張る。

カズは泣き出しそうな顔をして俺を見つめた。

俺はやっぱり苦笑いしてしまう。

こんなに困惑した恋人をそのままに襲う事なんて誰が出来るんだよ。

『カズ…もっとこっち来て。』

ベッドの上でカズをギュウッと抱きしめる。

熱に触れていた手をソッと握って恋人繋ぎして頬に当てた。

『俺の為に頑張ってくれてありがとう。大好きだよ…。本当、カズの事…大好き』

チュッと額にキスをすると、カズはガバッと胸元に顔を埋めた。

小さく震えながら、面白い事を口にする。

「まーくん…俺がっ…俺がさせないからって、浮気とかっ!ダメだからねっ…絶対っ…ダメだから…」

俺の胸はキュンキュンしてしまって、柔らかな黒髪に鼻先を埋めた。

『しないよ…浮気なんて。カズも…ダメだよ?俺以外と…絶対ダメだからね』

「ふふ…俺、まーくんじゃないとヤダもん…」

あぁ…鼻血出ちゃう。頭からかぶりつきたい。血が出るまで腕とかしゃぶり尽くしたい。

可愛いの権化が容赦なく俺を襲う。

ギリギリと太ももをつねりながらコッソリ邪念を払った。

『カズのおばさん心配してるよね。今日はもう帰る?』

「ぅ…うん。まーくんっ!」

『ん?どうしたの?』

「…俺っ…まーくん大好きだからねっ!!」

『くふふ…分かった分かった。心配してないよ。俺も大好き。』

ベッドから抱き上げて向かい合って座る。

「じゃあっ…じゃあさっ、ちゃんとキスしよっ!」

出たっ!!天然悩殺攻撃!!

俺はこれが一番苦しいんだけどなぁ~っっ

真顔なんだもん!キスして欲しいって言ってるの分かってないんだもん!普段しっかりしてるくせにどうして、こうも時々炸裂させるかなぁ…。

俺は引き攣る顔を必死で笑顔に保ってカズの肩に手をかけた。

顔を傾けると、キツく閉じる瞼の痙攣に笑ってしまいそうになる。

俺は額に軽くキスをして離れた。

「まーくん?」

不安そうに見上げてくるカズに笑いかける。

『今日は沢山、刺激的過ぎたから、これでお終い!ね。…今度はもうちょっと進みたいな、へへ』

そうすると、カズがキュッと下唇を噛み締めて抱きついてきた。

その華奢な身体を抱きしめながら

『帰ろうか』

と呟き、手を引いて階段を降りた。

玄関を出る前ににもう一度軽くキスをして手を離す。

暗がりだと、白い肌が浮きぼって見えて、やっぱりカズは

綺麗だった。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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