15

yellow side

まーくんの家の玄関が閉まる。俺はジッとその扉を見つめて、家とは反対に駆け出した。

ポケットから出した携帯を耳に押し当てる。

「母さん?俺!勉強分かんないとこあるから、翔ちゃんちに行ってくる!」

電話をタップして一方的に切ると翔ちゃんの

マンションまで走った。

エントランスを抜けて突き当たりでオートロックのインターホンを鳴らす。

息が切れて肩が大きく揺れるのを止められなかった。

「はーい。あれ?ニノ?どーしたぁ?」

話しながらもオートロックの扉が開く。

「うん、上がるね」

俺は息を整えながら応えてエレベーターに乗り込んだ。

もう!翔ちゃんしか居ない!

こんな事っ!モテモテKINGの翔ちゃんにしかっ!!

玄関先まで来たら、扉が勝手に開いた。

翔ちゃんがヒョッコリ顔を出して俺を見つけると

「どうしたぁ~、走って来たのか?汗だくじゃんか」

「はぁ…う、うん。もうね、ここまで猛ダッシュ…へへ」

情けない顔で笑うと、翔ちゃんは何かを察した様に中に案内してくれた。

「お邪魔しま~す」

「久しぶりだなぁ、ニノが来るの」

「うん、相変わらず、おばさんとおじさん忙しいの?」

「あ?あぁ~そうだなぁ、近頃顔見てねぇな。おふくろは海外だし、親父も行ったり来たりだよ。で?麦茶でいいか?」

翔ちゃんはキッチンカウンターから顔を出して問いかけてくる。

俺は頷いて、大きなソファーに座り込んだ。

ソファーの前のテーブルに麦茶のグラスがコトンと音を立てて置かれた。

「頂きます」

それを一口飲んで、グラスを置く。

深呼吸して、隣に座る翔ちゃんをキッと見つめた。

「ど、どうした…どうせ雅紀の事だろ?喧嘩か?」

ポンと口から溢れた雅紀の名前にボッと顔に火がつく。

「なっ!何でまーくんの名前がっ!」

「あれ?違うのか?」

「ちっ!違わないけどっ!!」

翔ちゃんがクスクスと笑う。

俺はソファーにあったクッションを抱えてムッとした。

「あぁ~、はいはい。で?何があったのよ」

翔ちゃんは笑うのを我慢しながら俺の頭をポンポンと撫でる。

「翔ちゃんにしか…聞けないんだ…」

「俺にしか?」

コクンと首を縦に振る。

それから、翔ちゃんを見据えて呟いた。

「キッ!キスから先ってっ!翔ちゃんはどうやってんのっ!」

「はっ?!はぁ~っ?!」

翔ちゃんは丸い目を更に丸くして後ずさった。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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