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Green side

『キミちゃんっ!!』

「ヨコっ!お前っ!言いふらす気なのか!」

二人で食って掛かると、キミちゃんは肩をすくめた。

「あのなぁ…あんなん言いふらすくらいやったらお前らの事なんかとっくに言いふらしとるからなっ!!バカにすんなよ!俺かって男やぞ!そんな口軽ないわっ!」

『……なぁんだぁ…ょかったぁ…そっか、そうだよね!あんなの言いふらすくらいなら俺達の事………』

俺は一瞬にしてこめかみを冷や汗が流れていくのを感じた。

ゆっくり、キミちゃんとは反対側にいるカズに目をやる。

カズも口をパクパクさせて固まっていた。

「なぁんや、俺にバレてないとか?そんなんとっくにやで。お前らダダ漏れやからな。俺、逆に何回か誤魔化すの手伝っとるしな」

キミちゃんはゆっくり歩きだす。

俺とカズは慌てて遅れを取り戻すように走った。

『ご、誤魔化すって…その…』

「案外なぁ人がおらんと思っても、さっきみたいにどっかしらに目はあるもんや。何か二人でおった、怪しい~とか?言われてるわけやん?だから、そんなわけあらへんわ!って言うてみたり、先生に二人がたまたま頼まれたから一緒におったんやろとかは何回か使ったな。おまえらベタベタし過ぎやねんぞ」

俺にもカズにもキミちゃんの言葉を聞いて、心当たりがどんどん浮かび上がる。

キミちゃんはカズを揶揄う時、お嬢ちゃんって言ったりしてたし、俺の家に来た時も仕切りにカズの機嫌の心配をしてくれてた。

俺とカズは知らない間にキミちゃんに守って貰ってたんだ。

『キミちゃん…その…俺達の事、やっぱ気持ち悪い…よね?』

カズが視界の端で俯くのが見えた。

いつもキミちゃんにキャンキャンと吠える愛らしい子犬の元気はもうない。

キミちゃんはゆっくり俺達に振り返った。

「分からんよ。正直、お前らの気持ちとか分からん。俺、女の子好きやし、おっぱいとか触りたいしな…でも、気持ち悪いやなんて思わんよ。気持ちは理解できんけど、あぁ~ほら!俺が男を好きになるって意味でな!やけど、友達やのに、気持ち悪いやなんて思わんよ。好きなだけやろ?逆にそれくらいの思い、羨ましいやん」

ニッコリ笑うキミちゃん。

俺は朝っぱらからブルブルと込み上げてくる感情が抑えられず、涙が流れた。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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