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Green side

「ったくよぉ~、あのお嬢ちゃんどこにあんな力あるねん!まだ肩、痛いわ」

教室に入ったキミちゃんが肩をクルクル回す。

さっきまでカズにぶら下がってしがみつかれて照れまくりだった。

まんざらでもなさそうに振り解けないキミちゃんに優しさを感じて、同時にカズの人の懐に入る技術の高さに感心していた。

『ごめんね、キミちゃん。カズ、すっごい嬉しかったんだよ…やっぱさ…悩まない訳じゃないし…俺たち。』

ちょっと神妙な顔をしちゃう俺にキミちゃんがバァーンと背中を叩いて来た。

『ぅわあっ!キミちゃんっ!』

「辛気臭いなぁーっ!さっきも言うたけど、好きなだけやろ?えぇやん!ま、確かに外野はどうか分からんけど…俺も協力するし。お嬢ちゃんのあんな顔…初めて見たしな」

窓の外を眺めて呟くキミちゃんの表情はいつもよりちょっと大人に見えた。

カズが俯いた顔を思い出す。

バラされるんだろうかと不安に沈んだ、確かに何とも言い難い表情だった。

それをキミちゃんがどう感じたのかが伝わる。

きっと、あんな顔する必要ないって思ってくれてるんだ。

俺はニッコリ微笑んで呟いた。

『俺ね、すげぇ…嬉しい。何か、世界に二人だけ…みたいな時があったんだよね。それも勿論嫌じゃないんだけど、これからはさ、キミちゃんに相談したり、惚気たり出来るんだもんね』

机に頬杖ついて、ムゥっとしたキミちゃんが投げやりに返してくる。

「いやいや、惚気はいらんで!そんなん聞いて何がおもろいねん」

『あはは!そりゃそうか!ま、でも…今後ともよろしくお願いしますね』

へへっと笑うとキミちゃんは苦笑いに近い笑みを浮かべた。

ホームルームが始まって、先生の手から期末試験の詳細が配られる。

それが終われば

いよいよ夏休みだ。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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