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Green side

「じゃ、今日はこの辺でお開きにすっか?」

翔ちゃんがグンと伸びをする。

キミちゃんがバタ~ンとフローリングに倒れ込み

「はぁ~っっ!疲れたっ!もう無理っ!」

と吐き捨てると、カズもペタンとテーブルに突っ伏して

「数式、口から出そう~」

とボヤいた。

松本と俺は目を合わせて苦笑いする。

そこへ、翔ちゃんがご褒美を差し出した。

「今回の期末さ、全員赤点から逃れたら、海行かないか?」

ガバッとキミちゃんが起き上がり、カズが机から身体をあげる。

松本と俺が翔ちゃんを見つめると、勢いに驚いた翔ちゃんが引き攣りながら俺達に話し始めた。

「親父の別荘があるんだけど、今年は両親とも帰って来れないらしくてさ、管理人さんが掃除もしてくれてるし、勿体ないから皆んなで使えって言われたんだよな…ど、どうだ?」

まぁ、言うまでもなく…

全員目を輝かせて”行くっ!!!!”と、声が重なった事は間違いなかった。

翔ちゃんちからの帰り道、カズがトンと俺の肩にぶつかってくる。

『ん?…どうかした?』

「へへ…俺さ、あんまり海とか好きじゃないけど…まーくんと行けるならすげぇ楽しみ!」

グハァッと胸を抉るような天使の微笑み。

俺は動悸で乱れる胸元のシャツを握りながら笑い返した。

『そ、そうだね、俺も!すっごい楽しみ!期末、気合い入るね!』

「うん!今回ばっかりはまーくん赤点絶対許さないからね!!死ぬ気で漢字勉強してよっ!!」

カズの丸い拳がドンと俺の腹を抉った。

『確かに漢字は苦手だけど、読みくらいで赤点になるような事はないよぉ~…た、たぶん』

「その油断が海を遠ざけるのっ!!」

プッと膨れた顔が可愛くて、立ち止まってしまう。

「まーくん?」

カズがキョトンと立ち止まった俺を見上げた。

グイッと細い腕を引き寄せた。

バランスを崩したカズがトンと胸元に倒れ込んでくる。

「まっまーくんっ!」

ギュッと腰を抱いて、耳元に囁いた。

『頑張るよ』

そうしたら、カズがバッと俺を見上げ真っ赤な顔をする。

『外でそんな顔しないでよ。キスしたくなっちゃう』

苦笑いする俺に、カズがバカじゃん…と可愛く照れた。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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