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Green side

俺達はあれからも寝静まれる筈なく、体力が回復すればまた寄り添うと始まってしまった。

朝まで…ってあながち間違いじゃないんだよな。

一階のお風呂場の横に洗濯機が置いてあった。

翔ちゃん達が眠ってる間に乾燥まで済ましちゃおっと。

カズには部屋にいてもらい、シーツをぐるぐる巻きにして胸の前に抱え階段を降りた。

まだ早朝とあってもちろん誰も起きて来てない!

よし!今のうちに…

ガチャリとドアノブを捻った後だった。

『わぁあっ!びっびっくりしたぁ~』

「雅紀っ!俺もびっくりしたわっ!」

ドアの向こうに立っていたのは翔ちゃん。

俺と同じようにシーツを胸元に抱えてる。

二人無言で目を合わす。

ブハッ!!と吹き出し、暫く腹を抱えて笑った。

広い脱衣所には木のベンチが置いてあり、俺と翔ちゃんはそこにかけて話を始めた。

『翔ちゃん達はお泊まり初めて…だよね?』

「うん…おまえらは?」

『へへ…1ヶ月分の小遣いはたいてラブホ一泊。』

「お!雅紀にしてはやるじゃん!」

『にしてはって何ぃ…。』

「ハハ、冗談冗談…小遣いはたくのも…分かるしな」

翔ちゃんが俯き加減に呟いた。

そこには昨夜のラブラブなあれやこれが浮かんでいるんだろう。

『ねぇ…翔ちゃん』

「ん?何だよ」

『怖くなったり…する?松本と…ほら…将来とか』

翔ちゃんは俺を一瞥して、壁にもたれかかり天井を見上げた。

「ん~…どうなんだろ、将来かぁ…俺さ、男好きになったの初めてなんだけど、確かに漠然とした不安はあるよ。…うん、無いっつったら嘘になるかな…だけど…」

『だけど…?』

「男ってより、松本潤って人間がさ…こう…上手く言えないんだけど…男だからじゃ無いわけじゃん?」

俺は一瞬ポカンとしてしまった。それからジワジワ込み上げる何かに押されるように翔ちゃんに抱きついた。

「まっ雅紀?!」

『いやぁっ!分かるわぁ~分かるよっ!!もんっ凄い分かるんだもん…俺も、男とかなんとかじゃないんだよね。もうね、カズが好き!カズってモノなのよ!』

手でシルエットを表現する俺を見て翔ちゃんは笑った。

俺達は同じだ。

不安も、想いも、揺らぎでさえ。

何だか胸があったかくなって、シーツを洗濯乾燥機に放り込み翔ちゃんと朝飯の買い出しに出た。

投稿者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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