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Green side

「おはよ~さぁ~ん」

頭が寝癖で爆発したキミちゃんが目を擦りながらリビングに入ってきた。

俺と翔ちゃんは帰って真っ先に乾燥機のシーツをベッドに戻して、お互い相方を連れ、リビングで朝ごはんの用意をしていた。

キミちゃんはTシャツに手を突っ込んでぼりぼり腹を掻きながらドサッとソファーに座り込んだ。

カズがダイニングの椅子から声を掛ける。

「ヨコ!華ちゃん花火大会誘った?」

その問いかけにキミちゃんはパチッと覚醒する。

「おっ!おう!」

「マジで!!凄いじゃん!で?答えは?!」

「一緒に…行きたいって。」

ヒューッと翔ちゃんが口笛を吹く。

『キミちゃん、やったじゃん!!』

俺がソファーの横に駆け寄って肩を抱く様に隣に座った。

「ま、まぁな!俺かって、やる時はやるんやって事や!せやけど…」

『どうしたの?』

「まだ告白したわけちゃうしな!花火大会一緒に見よなって約束しただけやしっ!」

ニカッと笑うキミちゃんはドキドキしているのが表情に出てた。

何だかこっちまでドキドキする。

朝ごはんは俺と翔ちゃんが買ってきた食パンをトースターで焼いて、それぞれ好きな物を挟んで食べた。

男ばっかりだから、昨日のBBQの残り物の肉を挟んだりして、割とワイルドな朝食になった。

それぞれお腹がいっぱいになって、だらだらと過ごす。

そんな俺たちに翔ちゃんが海釣りを提案した。

ソファーに寝そべるカズを覗き込む。

『カズやった事ある?』

「ううん、ない。まーくんは?」

『俺もないなぁ…よしっ!いっちょデカいの釣りますか!』

「よ~しゃっ!一番デカいの頂きますっ!」

「経験者は俺とヨコだけかぁ…一騎討ちかなぁ?」

『なぁんでぇ~っ!俺にだってチャンスあるよっ!カズ!一緒に一番デッカいの釣り上げよっ!』

「いやいや!俺と潤が一番デカいのをあげる!」

「待て待て待てぇ~っ!おまえら何カップル対決みたいになっとんねん!俺が一番デカいの釣って華ちゃんに男見せたんねんからなぁっ!」

という事で…

俺達5人は海釣りに出た。

それぞれポジションを陣取ってスタートだ。

ジリジリ照りつける太陽があまりにも激しく肌を焼いてくる。

少し離れた先に翔ちゃんと潤くんが、その向こうにはキミちゃんが竿を構えていた。

俺とカズの隣りには、やけに色黒の同い年くらいの男がボンヤリ竿から糸を垂らしていた。

カズがその子の置いていたバケツの中をソッと覗く。

「うわっ!!凄い沢山っ!」

俺はカズの言葉にドキッとした。

恐る恐るバケツを覗き込む。

中には5匹程の魚がパシャパシャと身体を揺らしていた。

『わぁっ!釣れるんですね!』

こっちはかれこれ2時間近く坊主だ。

男はフニャリと笑って

「釣れねぇならこの魚持ってくかぁ?俺は毎日来るからかまわねぇぞ」

「本当?!貰って良いの?」

カズがスッと懐に入る様に近づいていく。

俺はその裾を引っ張り引き留めた。

「まーくん?」

『あ、ごめん…えっと…な、何でもない』

「まーくん、俺もうこの炎天下無理だよ。魚くれるって言ってるし、貰って帰ろうよ」

カズは元々インドア中のインドアだから、2時間も付き合ってくれただけでも凄い事だった。

きっと家の近所の川釣りだったら、とっとと先に帰られてるに違いない。

カズの白い肌が赤くなり始めている事も気になったし、俺は男に問いかける。

『本当に…貰っちゃって良いの?』

「あぁ…持ってきな。あそこの三人も連れだろ?ありゃ多分みんな坊主だなぁ。おっと!かかった!」

「わっ!来た来たっ!見てっ!まーくんっ!魚っ!見えたよ!」

カズがキャッキャとはしゃぐ。

俺的にはこれを俺がしてみせたかったんだけど…まぁ、仕方ないな。

口から針を外してパシャッとバケツに魚が入る。男は立ち上がり、バケツの取っ手を握りズイと俺達に突きつけた。

思っていたより身長が低くて小柄な男だった。

「バケツ…どうしよう」

カズがバケツを受け取った俺を見上げる。

『本当だね、どーしよ』

色黒の男は頭を掻きながら、バケツくらい沢山あるからそれごと持ってけよと言った。

流石にそういうわけにも…。

俺が考え込み始めた矢先だった。後ろから翔ちゃんの声がする。

「あっ!あーっっ!智くんっ!!」

「ぁ…翔くんか?おぉ~っ!翔く~ん!久しぶり!!」

色黒くんはまたフニャリと微笑むと、駆けてくる翔ちゃんに大きく手を振った。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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