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Green side

三人を叩き起こして最後の朝食を食べる。

食べたのは昨日の祭りの戦利品。

お好み焼きにリンゴ飴、たこ焼きと焼きそばが二つ。

どうせ、朝はこうなる事を予想した翔ちゃんが多めに買っておいてくれたんだ。

流石としか言いようがない。

楽しすぎた2日間はあっという間に過ぎ去った。

海、BBQ、お祭り…夏の醍醐味なんて大体済んでしまったに違いない。

みんなそれぞれに浮かない表情なのはきっと帰りたがらない心境のせいだ。

翔ちゃんがシンと鳴る空気を壊して、柔らかな声で呟いた。

「冬の海もいいもんだぜ」

翔ちゃんがリンゴ飴を松本に向ける。

松本はクスっと笑って、赤い飴をペロペロと舐めた。

翔ちゃんはそれをジッと見つめながら話を続ける。

「蟹…お前ら好き?」

『う、うん好きだよ。』

「当たり前やん!あ!あれ食ってたらさ、会話なくなるよな!夢中でホジホジするやん?」

「よく言うよね、それ」

アハハと笑ってから俺たちは翔ちゃんを見つめた。

翔ちゃんは相変わらずテーブルに頬杖つきながら松本にリンゴ飴を舐めさせるために差し出しながら、それを愛おしそうに眺めて続けた。

「冬…またこのメンバーで来よう。すぐだよ。あと数ヶ月後の話だ。だから、最後まで楽しく行こうぜ」

俺達は顔を見合わせて、クスっと笑い合う。

翔ちゃんは俺達が寂しい気持ちで一杯な事に気づいていて話してくれたんだ。

『朝飯終わったし!もう一回夏っ!満喫しよっかぁ!』

俺が元気良く立ち上がり、転がっていたビーチボールをバンと手の平で挟んで見せた。

「よぉーしっ!カキ氷賭けようや!」

キミちゃんがすぐに乗ってくる。

翔ちゃんもTシャツの袖を捲り立ち上がった。

「潤、カキ氷好きか?」

「好き」

「よしっ!その勝負俺が貰う!」

翔ちゃんが堂々とイチャイチャするもんだから、つい釣られて俺も椅子に座るカズを見下ろした。

口を大きく開けようとした瞬間。

「あ、俺、甘いのそんなだからね」

カズにサラッと先手を打たれてガクンと転びそうになる。

『カズゥ~…』

「アハハ!嘘嘘!暑いし!勝ってカキ氷ゲットしよーよ!」

カズもテーブルに手を突いて立ち上がった。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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