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Green side

「ありがとうございました。それじゃ…花江さん、身体に気をつけてね。また冬にコイツら連れて蟹旅行に来るよ」

翔ちゃんが送迎バスの前で花江さんと話すのを後ろで見ていた。

バスの後ろ側で向かい合いながら手を取り合って話すキミちゃんと華ちゃんが見える。

華ちゃんは小さく肩を揺らしながら、俯くもんだから長く黒い髪で顔を隠してしまう。

泣いてるんだ…

充実した2日間だったし、二人はずっと一緒に居たもんなぁ…

好きになった人と離れなきゃなんないってどんな気持ちだろう…

カズと離れ離れなんて想像もつかなかった。

前を見ると、翔ちゃんが花江さんと固い握手を交わしたところだった。

「それじゃまた」

「ありがとうございました!」

『ありがとうございました!』

翔ちゃんに続き、カズと二人頭を下げた。

後ろ側から二人が手を繋いでやって来る。

「花江さん、俺、華ちゃんに手紙書きます!少し金が貯まったら、会いにも来ますっ!どうぞ、宜しくお願いします!」

頭が地面につきそうな程深く頭を下げるキミちゃんを見ていると、凄く男らしくて、かっこよかった。

花江さんはキミちゃんの肩を撫でて

「華は、ワガママさんだけど、頑張り屋の優しい子よ。どうぞこちらこそ…宜しくお願いしますね」

キミちゃんは顔をガバッと上げて

「はいっ!宜しくお願いしますっ!」

と真剣な眼差しで言い切った。

バスに乗り込んで、暫くは無言だった。

キミちゃんの別れによる悲しみが、皆んなに伝染していたように思う。

重い空気を払拭する為に、提案したのがしりとり…。

相葉家と言えば…車で始まるしりとりなんだよな…。

お題を出さなかったせいで、スタンダードなしりとりが始まってしまう。

高校生にもなると、中々”ん”で終わる結末にならない。

エンドレスに、ある意味淡々とそれは地獄のように続いた。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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