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nino

「翔さんっ!!どうしてそんなに俺に構うんですか!」

「何ぃ?」

両手にケーキの箱を紙袋に詰めて貰った物を下げて先々と歩いていく翔さん。後ろから同じだけの紙袋を両手にぶら下げながら追いかける。

「だからっ!どーしてっ!」

翔さんが急に立ち止まるもんだから、俺は危うく逞しい背中に突っ込むところだった。

クルンと振り向いた翔さんはニッコリ微笑むと、俺に言った。

「君が好きだからだよ」

「…は…はい?」

「ニノは俺の部下かも知れない。だけど、最初の出会いはそうじゃない。ただ、一人の人間として出会って、俺はキミを助けた。キミも俺を助けてくれた。それってもう友達だろ?君が相葉くんを見る目を見た瞬間、何て綺麗な目をするんだろうって思ったんだ。俺は応援したいだけさ。純粋にね」

ウインクをすると、俺に小さな紙袋を渡してきた。

「ニノは相葉くんのお菓子を食べた事あるの?」

俺は紙袋を受け取りながら、首を左右に振る。

そこから会社に帰るまで、相葉さんとの事を翔さんに話した。

大学三年間、憧れ続けた事。最後の一年は死んだように過ごした事。そのまま彼に会う事無く、つい数日前まで生きていた事。

ついこの間、不慮の事故で再会、連絡先を交換したばかりだと。

翔さんは、会社のロビーで待っていた付き人のような人にお菓子の袋を預けて俺に言った。

「実はニノに隠してる事がある。」

「な、何ですか?」

翔さんがスッと肩がぶつかる距離に近づいて、軽く屈む。

翔さんは衝立のように手を添えて俺に囁いた。

「I’m gay」

高級な革靴がコツコツと音を立てて去っていく。

コツコツ

コツコツ

シュークリームが二つ入った紙袋から甘い香りがロビーに広がる。

バニラビーンズの…

甘い甘い

魅惑の香り。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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