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nino
居酒屋でのまさかの告白から…
俺は初めて相葉さんと飲んだあの日とは逆に全く眠らず…
二時間泣いた。
まだグズグズと鼻を啜る俺を公衆の目に晒し続けるわけにいかなくなった相葉さんが俺を連れたままマンションに帰って来た。
外観とギャップのあるお洒落な室内。
あの日の足が竦む様な記憶が甦らないわけではなかったけれど、さっきからソファーできつく抱きしめられている事の方が大問題だ。
酒が良い調子で入っているし、泣きすぎて神経が興奮しているせいで、どうにも股間の暴走が尋常じゃない。
バレないうちに帰らなきゃと思うと腰が引けた。
『ニノ…抱っこ、嫌い?』
「へ?!いや!!そんな!!」
『だって凄い腰逃げてるよ』
「ち、違いますっ!あのっ!」
『ずっと泣いてたから…俺、返事、聞いてないよ?』
「……」
『俺の事…嫌い?」
ガバっと顔を上げると、少し意地悪な顔で笑う相葉さん。
俺と向き合って腰にまわされた手がキュッと体を引き寄せたりする。
「嫌いなわけ!!…ないじゃないですか…相葉さん、意地悪だ…」
『ふふ、可愛いから…ごめん…でも、ちゃんと返事して…俺と、付き合ってくれる?』
火照る顔を抑えられず頷いた。
「好きです…ずっとずっと貴方が…好きだった…」
『ニノ』
胡座をかく相葉さんの膝に向き合って抱かれていた俺は、グイと引き寄せられた拍子にゴリッと硬い物が尻に触れた。
ハッとして相葉さんを見ると、優しく俺の熱に触れた相葉さん。
『ニノだけじゃないよ…俺も…勃ってる』
お互い額を擦りあわせ、ゆっくり目を閉じた…
柔らかな唇から、初めて熱い舌の感触を知る。
そのまま首筋に流れた相葉さんの唇が囁いた。
『やっぱりニノ、良い匂い。凄い興奮する…」
ゾクゾクと背筋を這い上がる声の愛撫…
俺は我慢出来ず、相葉さんのシャツを引きずり上げて、脱がせてしまった。