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nino

俺と相葉さんが交際を始めて、1ヶ月が経った。

未だに憧れの人と付き合えているという事実に慣れない。

今日は朝から珍しく電話が鳴った。

「はい、相葉さん?おはよう、どうしたの?」

『おはよう。今日、何の日か分かる?』

俺はまだ寝起きのぼんやりする頭でグルグル思考を巡らせた。

「ぅうん…何だろ…」

『ニノは記念日とか覚えないタイプ?』

ちょっと拗ねた様な声音に焦るけど、どうにも思い出せそうにない。

「ごめんなさい、何かなぁ?」

頭をボリボリ掻きながらベッドから出て携帯をスピーカーにすると、冷蔵庫からコーヒーのペットボトルを取り出しグラスに注ぐ。

『今日ね、付き合って1ヶ月記念日だよ』

「えっ!ぁあっ、そっか!俺そんな大切な日を」

『あぁ、いいの!いいのっ!こういう仕事してるとさ、記念日に敏感になるんだよ。今日、ケーキ焼いてそっちに行ってもいい?』

俺は胸がキュンキュンしてしまって朝から倒れてしまいそうだった。

「も、勿論です!!待ってる!!」

『くふふ…ニノ、大好き』

「ぉ…俺も。大好き。」

『うん、じゃ、夜ね!』

「はいっ!」

電話が切れて、放心状態。

あの人は無意識なんだろうけど、ほんっとに毎回俺をドキドキさせる。付き合ってみたら、好きは落ち着くに違いないと思っていたけど甘かった。

落ち着くどころか、果てしなく膨らむんだ。

何とかスーツに着替えて満員電車で会社へ向かう。

オフィスビルのロビーでたまたま翔さんと出会う。

軽く手をあげて近づいて来るどこから見ても完璧な男。

「おはよう御座います!翔さん」

『おはようニノ!』

軽快な挨拶の後、いつものラーメン屋に誘いがかかる。

「えぇ、良いですよ。俺、今日外回り無いんで。じゃ、昼にここで」

「あぁ、じゃ!」

翔さんとは実は一度微妙な空気になった。

勿論、潤くんの事だ。

北海道から帰った翔さんは紙袋に五つはあろう量のお土産を俺にくれた。

くれた…というより、押し付けられた。

ガッツリ敵意剥き出しに、潤くんとの旅行話を延々と聞かされ、口にこそ出さなかったが土産は手切金と言わんばかりに威圧感たっぷりに重々しく手渡された。

彼が今、どんな風に翔さんを受け入れているかも少しだけど知った。

それを聞いた俺は、潤くんが二度と俺なんて思い出さないだろうと確信していた。

あの人が抱かれているなんて正直驚いた。かなりの遊び人なのはしっていたが、ネコなんて死んでも御免というタイプだったからだ。これから先も翔さん以外には考えられないだろう。

潤くんは相葉さんの同僚って事もあるし、翔さんは相葉さんの店のオーナーの幼馴染みで、今の潤くんの彼氏ってわけで、どこを取っても切れない関係なのを覚悟して、四人で飲みにも行った。

最初こそ、ぎこちなかったけど、今じゃただの二組のカップルが一緒に酒を飲んでいるって形におさまっている。

それに加えて時間ってヤツは有能で、日が過ぎる事に俺たちは元々こうだったかのように自然だった。

最近なんて潤くんに相葉さん宛ての伝言を頼む事だってある。

逆もまた然りだ。

これから先もこのままだといい。

俺は翔さんとの昼食の約束を気にして時計を見つめた。

筈なんだけど…実際のところ、夜になるのをソワソワしながら待っていた。

早く会いたい。

あの人に…。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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