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masaki

秋の夜長…虫の声…ならぬ人の喧騒。

居酒屋での忙しさは、朝帰りのニノも、ファーストフード店での浮気相手との遭遇でさえも忘れさせた。

ビールに焼酎、唐揚げにポテト。

飛び交うオーダーに、数の足りないジョッキ。

俺は少し肌寒くなったはずの季節に逆らってジンワリと汗をかいていた。

そんな時、ケツのポケットで携帯が震える。

何となく嫌な予感がして、裏に回ってこっそり確認した。

ニノからラインが入っている。

開くのを戸惑いはしたけど、溜息混じりにそれを開いた。

“ちょっと出かけるね~”

俺はその文字をジッと睨みつけた。

夜ご飯も食べたのに?

昨日も朝まで戻らなかったのに?

言いたい事は沢山あった。

俺がこんなに…

……本気で……好きなのに?

ガリガリっと頭皮に爪を立てて大きく息を吐き捨てた。

そこに、翔さんが後ろから俺の肩をポンと叩いた。

俺は身動き出来なくて、情けない事にじんわり目頭が熱くなってしまった。

仕事終わりの午前一時。

俺は項垂れながら翔さんと歩いていた。

「なぁ…マジで…別れろよ…おまえ学生だろ?アイツ一応社会人じゃん。養ってどうすんだよ」

『ハハ…そうなんっすけどね…』

「そうなんっすけどねじゃないよ。…おまえ最近疲れてるし…付き合ってて疲れるとかさ、俺は違うと思うぜ?」

翔先輩の言う事は正しい。

まともだ。

分かっちゃいる。

だけど、俺が居なくちゃニノは…

「依存…って知ってるか?」

『え?』

「依存だよ…おまえ、ニノに依存してる。本当は離れなきゃ行けない関係だってわかってるくせに、そう出来ない。俺が守らなきゃ…とか思ってんだろ?…それってさ、アイツごとダメにしていってるって、いい加減気づかないとダメなんじゃねぇの?」

『……ニノごと?…ですか…』

歩道を歩く爪先を見つめる。

靴紐が解けている事に気付いて立ち止まった。

『先輩、ちょっと、すみません』

屈んで解けた紐に手をかけると、何だか急に虚しくなった。

俺の想いは間違っていて…

ニノをダメにしてる?

俺の…せい…

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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