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今日はだれもかれも忙しいらしい。

俺がその人達にとって、必要じゃないのが良く分かる。

こんな朝っぱらから遊んでくれる奴が俺の周りにいるはずもなかった。

まーくんが出て行くより先にあの家を出て行きたかった。

まーくんに置いていかれるように感じるのが嫌だった。

気ままなもんで…今日の朝はそう思ったんだから仕方ない。

ブラブラ街を歩いていたら、すっかり昼下がり。

顔見知り程度の男とすれ違った。

気づいたらその人の腕を掴んでいて、引き留めた手前、何か喋らなきゃと口をついて出たのが…

「ねぇ…ホテル行かない?」

我ながら

バカだと思った。

だけど…相手はもっとバカだったんだから救われない。

「マジで?すぐヤらせてくれるって聞いてたけど、ラッキー!一回さ、男ヤッてみたかったんだよ!」

まずったなぁ…って思ったけど…

後に引けるような立場になくて、俺は苦笑いのまま肩を抱かれ目的地を目指す。

ホテル街に入る手前のカフェで

まーくんを見かけた。

少し肩を縮めて視線を外していた筈なのに、俺は詰めが甘かった。

チラリとガラス張りの洒落たカフェに、迂闊にも視線が戻ってしまい…

そこでバッチリ…まーくんと

目が合ってしまいました…とかあり得ない。

何を喋っているか分からない男に肩を抱かれたまま、明らかにその通りに通じる小道に入った。

昼間なのに、何となく人目を忍ぶような雰囲気の中、適当なホテルに入る。

まーくんの表情は

驚いていたような

悲しんでいたような

辛いような

酷い顔色で…

名前も知らない男のモノをしゃぶりながら、俺はまーくんの事ばかり考えていた。

俺の手を引いたり、離したりするまーくんの 事を…

どうしてだか、ピアノの音と、優しく髪を撫でてくれる指先を思い出しながら

思い出しながら…考えていた。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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