15

masaki

涙がまだ乾き切らないボヤけた視界に最愛の人が映る。

カフェがガラス張りじゃなきゃ、俺はあんなものを見ずに済んだのにね。

ニノかどうか怪しかった視界が一気に冴えた瞬間だった。

まるで俺を確認する様に振り返ったニノと、バッチリ目が合った。

知らない男に肩を抱かれ、居心地悪そうに肩を竦めながらこっちを向いたニノ。

ハッと驚いたような…

そうでもないような…

角を曲がれば有名なホテル街に入る。

どうかそこへは…

そう願うのに、肩を抱かれたニノはヨタヨタと小道に吸い込まれて行った。

「相葉くん?どうかした?マジでさぁ…大丈夫?」

松潤が俺の肩に手をかける。

『あぁ…ぅ…ん…大丈夫…大丈夫だと思ってたんだけど』

「相葉くん?」

俺は上向いて天を仰ぎながら、両のこめかみを涙が流れるのを感じていた。

『ダメだな…俺じゃ…』

「え?何?」

『……ダメ…なんだ…もうダメなんだよ』

顔面を両手で覆い隠して、テーブルに突っ伏した。

松潤が、慰めるように背中を撫でていたのを覚えている。

だけど、胸の痛みがおさまらず、どんどん血を流すように痛くて、本当にナイフで刺されてしまったんじゃないかとさえ思った。

息も出来ない。

苦しい。

ニノが好きで

苦しい。

彼が自由で

苦しい。

その羽をむしり取ったら…

君は死んでしまうだろうか?

だらだらと血を流して

俺に許しを乞うだろうか?

カフェで松潤にお願いをした。

『松潤…一生のお願い。』

「何だよ…改まって…」

『俺を、暫く家に泊めてくれない?』

松潤はクシャっと髪をかきあげて、苦笑いした。

「相葉くんさ…この流れで言うの反則じゃない?」

それは彼が、断れないだろっと言いたげに聞こえて、俺も釣られて苦笑いした。

『そこを何とか…頼むよ』

「…はいはい。分かったよ。いつから?その分じゃ、聞くだけ野暮かな?。」

『今晩もバイトだから、夜中の帰宅になるんだけど』

「了解。鍵開けとくわ。入って好きにしていいから」

『ありがとう…助かるよ』

助かる…

俺の心が、子供みたいに泣きながら、そう呟いたんだ。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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