19

masaki

松潤に着替えまで借りながら2週間ほどが過ぎた。

寒さも深まって来ると、次第に借り物だけでは補いきれなくなってきた。

一度でも顔を見たら、ニノを手放せなくなるのが怖くて、電話も、メールでさえも拒否し続けた。

そろそろ家をどうするのか…

答えだって聞かないとならない。

俺は大学終わりの夕暮れ時に、自分のボロいハイツを訪れる事にした。

歩く道中、帰ってニノが居たら居た、居ないなら居ないって諦めて過ごしていた以前の気持ちを思い出していた。

銀色の鍵を撫でて苦笑いしてしまう。

きっとどっちだって良かった気がする。

別れた今となっては、そんな事を心配しながら、少しずつ諦めて過ごしていた頃が尚更に愛しい。

きっとニノの事だから…

居ないに違いない。

初めこそ、電話やメールはあったけど、拒否したら直ぐに連絡は途絶えた。

俺を好きじゃなかったニノは…もう違う誰かの家で、新しい生活を始めているかもしれないんだ。

愛しくて仕方ない気持ちを噛み締めてハイツの前に着いた。

陽が沈むのが早いせいで、辺りはすっかり暗かったけど、部屋の明かりは付いていない。

『なにを期待してんだよ…』

呟いて自嘲気味た笑みを溢しながら、鍵を差し込んだ。

懐かしいような錆びた音を立てて

扉が開く。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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