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明け方だった。

隣りで眠っていた燕さんのうなされる声で目が覚めた。

「庵司…っ…ぅ…行く…な…っ庵…司っ」

凄い汗だ…。

俺は身体に絡みつく燕さんの腕をそっと下ろしてベッドから降りると、バスルームでタオルを濡らし固く絞った。

ベッドに戻り、燕さんの額にタオルを当てる。

何度か汗を拭っていたら、ガバッと飛び起きた燕さんが息を切らせ額に手を当てた。

長い前髪をかきあげ、肩で息を整えてる。

「わ、悪い…ハァ…ハァ…起こしたか?」

俺はタオルを膝の上で握りしめ俯いた。

「いつもなの?」

「え?」

「いつも…庵司の夢を見るの?」

随分と苦しんでいたうなされ方を見て、昨日今日に始まった悪夢には思えなかった。

燕さんはハハッと乾いた笑いをすると、俺を抱き寄せた。

「ぅわぁ!つっ燕さんっ!」

ゴロンと腕の中に抱きしめられたままベッドに沈む。

「…情けないけど……庵司を見殺しにした日から…上手く眠れない。おかげで常に寝不足でね」

燕さんが俺を抱く腕は、無意識なんだろうけれど、小刻みに震えていた。

「好きだったの?」

「俺が庵司を?…」

俺は頷く。

燕さんはクスっと苦笑いした。

「まさか…嫌いだったよ。生意気で…」

「嘘が上手だね」

まだジンワリ汗ばむ首筋を持っていたタオルで優しく拭った。

「…年の離れた弟みたいな存在だった。俺にばかり頼って…いつもくっついて来る。小さい時から面倒見てたんだ…アイツ、本当は俺が助けられたんじゃないかって…俺に助けて欲しかったんじゃないかって…そう思わない日は…ない…」

タオルを掴まれて手から奪われる。

そのままギュウっと抱きしめられた。

「俺は、間違えたんだよ…おかげで薬がないと眠れない。コレは…罰だな」

スリっと猫のように俺の首筋に擦り寄って、燕さんはまたウトウトし始めた。

長い栗色の前髪を撫でてみる。

「無駄にイケオジ…」

呟いて形の良い頭を胸元に抱き寄せた。

圭介さんじゃないのに、変な感じだ。

嫌悪感はないし、むしろ今この人を離したら死んじゃうんじゃないかって不安に思う。

燕さんが庵司を思う気持ちに…何となく抱くヤキモチ。

溜息を吐いて目を閉じたら、俺まで変な

夢を見た。

著者

ninon

オリジナルの小説を書いていきます。 嵐さんの大ファンです。 黄色を愛でる幸せに生きています。 二宮和也Addiction... どうぞよろしくお願いいたします。 尚、このブログ作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ございません。

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